1 からくりサーカス
完結済 巻数 : 43
あらすじ・ストーリー
錬金術により生み出され人間に災厄をもたらす自動人形(オートマータ)と、それに対抗する人形破壊者(しろがね)の200年に渡る戦いと運命を描いたダークファンタジー。
『❛❛他人を笑わせていないと呼吸困難に陥る奇病❜❜ゾナハ病にかかった18歳の青年』加藤鳴海(かとうなるみ)はある日、サーカスのテントにて『父を大会社の社長に持ちその遺産を巡り命を狙われる少学生』才賀勝(さいがまさる)に出会う。そこに勝を護衛する目的で現れた『銀目銀髪の謎の人形使いの女』しろがねが加わる。
3人が出会う時・・・運命が歯車を、情念が発条を回す不思議なサーカスが始まる。
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サンデー史上に残る傑作のひとつ。 自動人形と人形破壊者の200年にも渡る因縁と戦いを描いた、錬金術を題材にしたダークファンタジー。 現代が舞台(ローファンタジー)でダブル主人公制で物語は進行する。 二人の主人公が出会い別れる【プロローグ編】ののち、 まさるが主人公の【サーカス編】と、鳴海が主人公の【からくり編】が交互に繰り広げられる。 その後、凄まじい量の伏線回収とともにすべての過去編が現在へとつながり浮かび上がりし「黒幕」との戦いを描く【からくりサーカス編】を経て、 全人類の存亡をかけた最終局面【機械仕掛けの神編】へと続く・・・。 そんな5編からなる壮大なスケールの作品。 ●長所 ・ダブル主人公制で飽きない作りになっている点 ・名シーンの数 ・テーマ性の高さ ・7巻以降続々と明かされるおぞましい設定と描写の吸引力(特にゾナハ病の設定の斬新さ) ・設定同士がきちんとストーリーに絡み合い無駄がない点 ・邪道でダークな世界観なのに王道少年漫画的な熱い展開だらけな点 ・からくり編最終章(17~21巻)、サーカス編最終章(22~28巻)の盛り上がりの凄まじさ ・キャラの表情が生き生きして迫力があること ・キャラのセリフが作者が考えたんじゃなく「本当にそのキャラが言ってそう」な生きた感じがする点 ・キャラの使い捨てがほとんどない点 ・生々しい憎悪、燃えるような愛、熱い戦い、溢れ出る感動...と、読んでて疲れるほど感情を揺さぶる展開 ・自動人形のデザインセンス ・続きが気になる人間関係 ・セリフまわしのセンス ・脇役にもみな見せ場があること ・最高に独創的思考で魅力的なラスボス ・広げまくった風呂敷をきちんとたたむところ ・初登場で印象の悪かったキャラたちもみな成長してどんどん魅力的になっていく点 ●短所 ・巻数が全43巻と長い ・絵柄が荒くクセが強い ・錬金術の設定が出てくる7巻までは微妙~フツーな面白さ ・盛り上がる場面やキャラの見せ場は漫画全体でも最高レベルの面白さだが、日常描写は全般的に微妙。 ・黒賀村(29~33巻)でちょこっとダレる ・最後が若干急ぎぎみ ・細かい矛盾を探したら割と見つかる
続きが気になって仕方ない漫画だった 連載中に見たときは伏線や布石が細かい上に多いのであんまり前の内容覚えてなくていまいち入りにくかったが、連載終わってから一気に見たらめちゃくちゃ面白くて止まらなくなった 実際に連載終わったあとからじわじわ人気出たみたいなんで、これは一気見推奨の作品
人生の教科書に成り得る至極の冒険活劇。 今なお「漫画史上に残る最終決戦」「少年漫画の教科書」と呼ばれ幅広い年代から支持を受ける『うしおととら』の作者、藤田和日郎先生が手がけた長期連載2作品目であり、個人的には今まで出会った漫画の中では圧倒的にナンバー1である。 「笑顔」という大きなテーマを軸に2人の主人公が愛憎渦巻く歯車に捕らわれ、壮大に広げられた謎にまさに死にもの狂いで迫っていき、強大な悪と血で血を洗う死闘を繰り広げられる様はとてもじゃないがここでは語り切れない。 笑いあり、感動あり、手に汗握る死闘あり、読んだことを後悔するほどの絶望とそれを覆すほどの希望を描き、登場キャラクターが味方敵問わず懸命にその時代を生き、もがき、自らの幸せを掴み取ろうと全速力で駆け抜けていく。その暑苦しいほどの懸命さに涙が止まらない。 この漫画に出会えたことが僕の人生にとって大きなターニングポイントになっている。そんな気がする。
2 ジョジョの奇妙な冒険
完結済 巻数 : 63
あらすじ・ストーリー
ジョジョ達とDIOとの因縁の物語であり、「石仮面」「弓と矢」との戦いの物語でもある。
1部ジョナサン・ジョースター ファントムブラッド
2部ジョセフ・ジョースター 戦闘潮流
3部空条承太郎 スターダストクルセイダース
4部東方仗助 ダイヤモンドは砕けない
5部ジョルノ・ジョバーナ 黄金の風
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独特の雰囲気を持つためか今やパロディ元の王様のようなポジションについている漫画 しかし、絵柄や効果音にエポックメイキング性があるだけではなく・・・実際に読むと内容まで神漫画なのだ 主人公も交代制で、非常に見やすくなっている素晴らしい群像劇
ジョースター家一族の受け継がれし誇りを描く壮大なストーリー。人間賛歌の物語。 独特な擬音表現が素晴らしいっすね。問答無用でお薦めです。 どの部も凄く面白いですが、あえてお薦めを挙げるなら4部かと思います。
今更感想を書くまでもない、週刊少年ジャンプ連載の名作です。 1987年連載開始から今年2021年9月に連載終了したジョジョリオンまで続き、続編も描く予定という長期連載作品。 ストーリーマンガですが、内容はいくつかの部に分かれていて、各部は関連しながらも独立した作品となっています。 本レビューは週刊少年ジャンプ連載時の単行本収録の第1部から第5部までの感想となります。 なお、第1部では石仮面を被ることで吸血鬼となり、半永久的な若さを手に入れる怪物が登場しますが、作者の荒木飛呂彦氏はすでにかなりの高齢のはずながら、メディアに登場する際の顔艶は年齢通りのそれではなく、石仮面を被ったのではないかと噂されています。 各部で登場キャラクターの個性が強く、また今も語り継がれる名言が数多くあります。 教科書のように読んでおくべき作品で、特に1部1話はセリフを暗証できることが出世への近道と思います(個人の感想です)。 内容が大きく変わるため、各部で感想を書きました。各部の感想は以下のとおりです。 <Part1 ファントムブラッド> 『ジョジョの奇妙な冒険』の最初の部。 その後に続くジョースター家やディオの血族の戦いの歴史に繋がる序章です。 19世紀のイギリス、名門貴族ジョージ・ジョースターの息子「ジョナサン・ジョースター」と、ジョースター家の養子になった「ディオ・ブランドー」、2人の若者の物語となります。 いわゆる吸血鬼もので、ジョースター家にあった古い石仮面の秘密により人間を捨てたディオに、逞しく成長したジョナサンが"波紋"と呼ばれる力で立ち向かうストーリーとなります。 伝奇的な雰囲気の強い作品で、ジョナサンの半生を綴った叙事詩という雰囲気があります。 少年ジャンプ連載ですが、少年漫画としての雰囲気は無く、濃ゆいタッチと人間を暴食する描写があり、有名作ですが人を選ぶところがあります。 ただ、その後のシリーズに比較するとコンパクトに纏まっていて中だるみもなく、ある種のパターン化が続く3部以降に比べると最もストーリー性が高いと言えるかもしれません。 また、現在もネタにされる名言(迷言?)も多く、一作目でもあるためジョジョの入り口としては本作をおすすめします。 <Part2 戦闘潮流> ジョジョ二部目。 主人公の「ジョセフ・ジョースター」は、Part1の主人公、ジョナサンの孫という設定です。 石仮面の秘密を知る「柱の男」たちが敵で、二千年の眠りから覚めた彼らを、太陽の力である"波紋"をもって立ち向かう展開です。 前作ではディオが能力でタルカスやブラフォードを中心とした部下を従えていましたが、本作の敵は基本的に柱の男オンリーです。 前作でジョナサンと共に戦ったウィル・A・ツェペリの孫「シーザー・A・ツェペリ」、そして謎の波紋使い「リサリサ」と共に、柱の男が狙う"エイジャの赤石"を守り戦うストーリー。 一本気でまじめなジョナサンと違い、本作の主人公ジョセフは軽口ばかり叩き奇襲や奇策を得意とします。 Part1に比較すると雰囲気は明るく読みやすくなっていると思います。 また、Part3以降は幽波紋(スタンド)による能力者バトルが基本となるため、修行で強くなり強大な敵に立ち向かう少年漫画の王道展開をするジョジョは本作までとなります。 ストーリー展開もまとまっていて読みやすく、盛り上がりがあって純粋に面白いと思います。 <Part3 スターダストクルセイダース> ジョジョ第三部。 いわゆる"スタンド"が初めて登場するのがこの三部からで、本作以降のジョジョはすべてスタンドバトルが中心となります。 主人公は第二部主人公だったジョセフ・ジョースターの孫「空条承太郎」で、老いたジョセフもスタンド使いとしてメインキャラクターの一人として登場します。 『悪霊』に取り憑かれたため、自ら留置所に収監された空条承太郎の元に、ジョセフ・ジョースターと、「モハメド・アブドゥル」が訪れ、『悪霊』の正体は"スタンド"という精神エネルギーが具現化したものであること、スタンド能力に目覚めたのは、かつてジョナサンと戦ったディオが、ジョナサンの肉体を乗っ取って蘇ったためであることを説明します。 そして、承太郎の母「空条ホリィ」にもまた、スタンド能力が発現するが、スタンド能力を制御できないホリィは命の危険にさらされる。 ホリィを救うには、50日以内にディオを倒し、肉体に及ぼす影響を断つしかない。 承太郎、ジョセフ、アブドゥル、そしてディオに操られて承太郎と戦い、救い出された「花京院典明」の四人はディオを倒すため、エジプトを目指し旅に出るという展開です。 途中、ディオの手先であるスタンド使いと戦い、撃退しながら、日本からエジプトまでの長い旅路を行くロードムービーとなっています。 スタンド使いは皆、タロットの大アルカナの暗示、途中からはエジプト9栄神の暗示を受けていて、数が決まっています。 各スタンド使い共個性的で、名言も多いです。 4部以降のスタンド使いは能力がわかりにくいところがあることもあり、本作がジョジョシリーズの中では一般的に一番人気がある作品と言えると思います。 <Part4 ダイヤモンドは砕けない> ジョジョ第4部。日本・杜王町という架空の街が舞台です。 杜王町のモデルは、荒木飛呂彦の出身地である仙台市で、そこに住む高校生「東方仗助」が本作の主人公です。 仗助は二部の主人公「ジョセフ・ジョースター」の隠し子で、スタンド能力を持っています。 異様に行方不明事件が多発する街、杜王町の調査と、仗助に会うために杜王町にやってきた空条承太郎は、仗助と共にスタンド能力を持つ殺人鬼・アンジェロを再起不能にするが、アンジェロから「弓と矢」の力によってスタンド使いになった事を聞かされる。 スタンド能力者を増やす「弓と矢」の行方を追うため、仗助と承太郎、街の仲間たちが怪事件に挑む展開です。 明確な目的をもった道中で敵のスタンド使いに遭遇するような内容ではなく、スタンド能力を持ってしまった一般人、あるいは、スタンド能力かも本当のことろわからない変わった人々との出来事が描かれていて、数回で解決する小話の続くような部となってます。 全てが全て命を狙って攻撃してくるスタンド使いというわけでもなく、懲らしめて終わったり、事件自体も起きずにこやかに話が終わることもあり、他の部と比較すると雰囲気が独特です。 また、最後の敵もディオや柱の男たちと違い、スタンド能力を持つシリアルキラーであり、戦いの規模は小規模になった感じはします。 ただ、敵も味方もキャラクターが立っていて、読んでいて楽しいい作品です。 露伴や重ちー、億泰、トニオ、そして吉良吉影など、本作に登場する多くのキャラが現在も語り継がれており、3部と並んで人気作と思います。 <Part5 黄金の風> イタリアが舞台で、主役はDIOの息子となる「ジョルノ・ジョバーナ」です。 DIOの血族とはいえ、吸血鬼というわけではなく、これまでのジョジョ達同様、己が目的のために敵を倒す展開です。 迫害され、悲惨な少年時代を送っていたジョルノは、幼少期にギャングに救われた経験から、自然とセリエAのスター選手に憧れるよりもギャングスターに憧れを抱く。 15歳になり、ギャング組織とトラブルを起こしたジョルノは、組織・パッショーネの幹部「ブローノ・ブチャラティ」に襲撃される。 ブチャラティに勝利したジョルノは、その繋がりからパッショーネに入団し、ブチャラティのチームに参加する。 序盤はパッショーネの任務に就いて行動するのですが、中盤からチームごと離反し、組織のボスを倒す展開になります。 3,4部同様、主人公チームへ次々新手のスタンド使いが現れ、戦い勝ち進んでいきます。 4部と異なるのは敵のスタンド使いは主人公チームを殺すために送り込まれた刺客であり、主人公チームも7人全員がスタンド使いの団体戦です。 そのため、ストーリーとしては3部に近いですが、舞台は終始イタリアとなるため、作品の雰囲気は大きく異なります。 1部から続くDIOとジョジョの因縁も関連が薄く、ストーリーとして独立している感じが強いと思いました。 また、スタンドの能力が複雑で、何をどうして勝ったのかがよくわからない戦闘も多かったように感じました。 ただ、個性的なキャラクターや名言は本部も多く、作風のインパクトが強いためジョジョと言われると5部を思い浮かぶ方も多いと思います。 6部からはコミックスのナンバリングがリセットされることもあり、個人的には最低でもジョジョを読むなら5部までは読まないと、区切りが悪い感じがします。
3 寄生獣
完結済 巻数 : 10
あらすじ・ストーリー
ある日突然、空から人知れず多数の正体不明の生物が飛来する。その生物は鼻腔や耳介から人間の頭に侵入し、脳を含めた頭部全体と置き換わる形で寄生して全身を支配し、超人的な戦闘能力で他の人間を捕食するという性質を持っていた。寄生後の頭部はもはや人間の物ではないが、自在に変形して人間そっくりに擬態する。彼ら「パラサイト(寄生生物)」は高い学習能力で急速に知識や言葉を獲得し、人間社会に紛れ込んでいった。
その日まで平凡な高校生であった泉新一は、1匹のパラサイトに襲撃されるが、間一髪で脳の乗っ取りだけは免れる。パラサイトは新一の右腕に寄生して同化し、右手にちなんで「ミギー」を名乗るようになり、新一とミギーの共生生活が始まる。
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命とはどれだけ重要なものか、人と人のつながりの大切さに加え、人の闇をよく描くとても深い作品です。アニメとは主人公のキャラが中盤少し変わりますが、物語には変化はなく、どちらもお勧めします。
このマンガのジャンルは何になるのだろう? たびたび見られるグロ描写や、人を食べる怪物という「ホラー」なのか、唯一パラサイトと人間の中間の立場にたつ主人公達と周りにあらわれるパラサイトたちとの「バトルアクション」なのか、生きるとは何なのか人間とは何なのかを問いかける「哲学」なのか。 どれも「寄生獣」を構成する重要な一部ではあるけど、一言であらわすにはどれも足りない気がします。 少なくとも私は「寄生獣」と同じ系統と呼べるマンガを見たことがない。それほどに唯一無二のマンガではないかと思っています。
ある晩、頭部を置き換えて全身を乗っ取り人を捕食する性質を持つ、謎の生命体が空から飛来する。 主人公の高校生「泉新一」もまたその寄生生物に乗っ取られようとしていたのだが、右手から侵入してきた生命体に気づき、固く縛ることで寄生を逃れるが、生命体は頭を乗っとこることに失敗した代わりに右手が置き換わってしまう。 そうして、右手の寄生生命体「ミギー」と新一の共生生活と戦いの日々が始まるストーリーです。 1995年完結のアフタヌーン連載マンガで、今となってはかなり古いマンガです。 ただ、知らない人はいないほどの有名作で、現在も語り継がれる名作です。 ドラゴンボールやスラムダンク等と並び、日本を代表するマンガ作品の一つだと思います。 単に新一がミギーと共に他の人に害を与える寄生生物(寄生獣)と戦う話ではなく、人の活動の不合理性や、寄生獣目線での思想が語られます。 例えば、ミギーは人を食わなくても、新一から栄養を分け与えられることで生命活動を維持することを発見します。 つまり、人食いは必須ではなく、人と同じように活動し、人と同じものを食べることで生きることはできます。 それでも寄生獣たちは人を食うことを前提に活動します。 その理由は語られませんでしたが、ある寄生獣は、「人には天敵がいない状態のため、際限なく個体数を増やすことができる。そのためやがて人で溢れてしまう。その時、寄生獣に感謝する日が来る」ようなことを述べます。 ですが、人は人を食い殺す生き物の排除に動きます。 寄生獣から見れば人が豚を食うのと変わらない、つまり、豚から見れば人こそが寄生獣であるはずなのに、と。 物語は"人間"と"寄生獣"の立場で語られますが、新一は人と寄生獣の両方を宿す中間的存在であり、平凡な高校生であるはずの新一が、人の考え、寄生獣の考えに頭を悩ませ、それでも家族や友人、恋人を守るため戦うストーリーです。 バトル描写が多いですが、哲学的なところがあります。 また、浅薄で人間らしい新一と、合理的で冷徹なミギーのコミカルに感じるやりとりも魅力です。 二人の関係性は、作風は全く違いますが、のび太くんとドラえもんに近い印象を受け、それだけにラスト間際の展開は心揺さぶられました。 名作ですが、ハリウッドが原作権を保持していて、結局映画されずに権利元に戻った関係上、20年近くメディアミックス不可の状態でした。 2014年に、アニメ化、国内で実写映画化しましたが、両方評判が非常に悪いです。マンガ版のみを読むことをおすすめします。
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