1 じゃりン子チエ
完結済 巻数 : 67
あらすじ・ストーリー
大阪市西成区西萩町(現在花園北2丁目付近)を舞台に、自分でホルモン焼き屋を切り盛りする元気な女の子「チエ」と、彼女を取り巻く個性豊かな人々の生活を描いている。
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大阪の下町(設定では西成辺り)を舞台にした作品。 ホルモン屋を経営するじゃりン子「竹本チエ」が、ガラの悪い大人たちに混ざりながら逞しく生きる様を描いたものになります。 父は博打狂いで、近隣のヤクザからはヤクザ以下と恐れられている男「テツ」で、母は家出中という洒落にならない舞台設定なのですが、テツはチエと不思議と仲は険悪ではなく、終始明るい雰囲気の話です。 全67巻、20年近い連載期間の末完結していて、長期連載漫画にありがちなことに1巻と最終巻では絵柄も雰囲気もガラリと変わります。 私的には初期のほうが好みです。序盤は絵柄こそ古臭いのですが、終盤はテツに迫力がなくなり、またストーリーも常識的になっている気がします。 特にテツの弱体化は見ていて辛いところがありました。ほとんど最強みたいな存在だったテツが大した活躍をせず、たまに喧嘩をしたと思ったら弱い者いじめ以外ではヤられる様は、見たくなかったです。 基本的に1冊で一つのストーリーが完結する構成になっています。 全67巻なので、単純に67作のストーリーがあるイメージとなります(次巻にまたがる場合もあり)。 大阪の下町らしいストーリーで、特に序盤はヤクザやごろつき、賭場、喧嘩のシーンが多く、大変なのにユーモラスで、大阪の国民性をうまく描写していると感じました。 一方で、これも序盤にあるのですが、テツが妻のヨシ江と逢瀬するシーンはまさに大阪慕情という感じです。 真面目から逃げたがっているテツと、真面目なヨシ江の会話、そしてヨシ江が家に戻ってきて無邪気に喜ぶチエの図は、読んでいてなかなかくるものがありました。 名作なのですが、やはり後半のぐだぐだ感が残念です。面白くないわけではないのですが、惰性で続けていた感じが否めないですね。 ちなみに大阪下町を舞台にした作品ですが、実在の観光地や地名はほとんど出てきません。通天閣も近くなのに登場しないです。 近隣にあったはずのスパワールドや、新世界、天王寺動物園など、大阪らしい場所は登場しません。 じゃあ大阪じゃなくてもいいんじゃないかとも思えるのですが、西成の汚くてガラが悪い区画を舞台設定に置かないと、本作のリアリティーはなかったと思います。 そういう意味で非常に大阪らしい、大阪を舞台とした漫画では代表的な作品だと思います。
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