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イザベラバードの日記から。 伝記ものを良くここま...

4.0

投稿 : 2019/04/15 18:48

状態 : いま読んでいる

イザベラバードの日記から。
伝記ものを良くここまで仕上げて来たなと。
道無き道を進む彼らは百年以上前の日本を赤裸々に映し出す。
文明開化に晒された街よりも、クローズアップされるのは誰にも知られていない村落。
そこはビックリするほど文明に取り残され、不衛生で異様な迷信が蔓延する。
日本人としては誰も記録に残そうとはしない姿だったろう。
この漫画には日本人として忘れてしまった伝統がイラストも伴い活き活きと描かれている。
時に我々には耳に痛い話も、アジアで散見される風習と似たものにまた日本もアジアであったと感じる。
ただ貧困だった当時も現代倫理をそこまで逸脱してないのは、日本人として誇るべきか。脚色の中であんまりな表現は削られてるかは不明だが。

西洋人としては現地の風習に恐れず果敢に飛び込んでみせるバードだが、正直原典をまともに読んでなかった(引用文程度の)自分には、バードはもう少し西洋人視点で随所に日本を見下す目線を持っていたように感じている。
それが漫画版だからキャラ改編したのか、原典と比較する余地はありそうだ。

漫画での登場人物はバードと並んでの主役が通訳の日本人男性〜伊藤/イト〜
ミラクルな経歴してるけど、彼独自の愛国心や日本文化への視点があり、こんな人が実在していたのか?と驚く。文明開化の先鋒に居ながら、当時の一般的な日本人の感覚を持ち合わせている人物。
彼が居てこそ、バードは消え行く日本文化を深く掴むことが出来た。
また実在しているなら彼がバードに内緒で送っていた書簡があればこそ、この旅の全容を漫画に落とし込めたのだろうか。
バードの原典だけだとそれは知り得ないかもしれない。

総括して知識として面白い漫画。漫画家もよく当時の風習など、絵としてどう表現するか研究してるように見受けられる。
そういった努力に賛辞を贈りたいと思う。

※このレビューがネタバレしてると思ったら...?

サンキュー

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