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志村貴子名義での長期連載デビュー作。 バレン...

5.0

投稿 : 2015/09/18 00:28

状態 : 読み終わった

志村貴子名義での長期連載デビュー作。

バレンタインでは大量にチョコをもらい、他校でファンクラブをつくれられ、街を歩けば写真を撮られて、雑誌に素人イケメンとして紹介されるというアイドル並の緑髪の美少年・本田千暁(通称ミドリちゃん)はすぐ陰口や愚痴を叩いて軽口で人を傷つける、すぐ欲情して、気まぐれで飽きっぽくて、その割に中途半端にプライドが高い。たまに高過ぎてめんどくさい。そういう部分に自覚はあるが変わらない。変われない。変わってしまうと噓くさい。しかし、どかかしらに純粋さや優しさが見え隠れしている。だからなんだか憎めない。だからこそ厄介。そんなある種のゆとり世代の日常を生々しく捉えた青春モノ。
偉そうに精神論語るのもほとんどモノローグばかりで、喋るとほんと今時のガキ達なのである。
言葉遣いも若々しくてとても自然体。名言や迷言も数知らず。笑えないです。決して尊敬できないタイプの人々が劇的な青春を送るわけでもなく空虚にあーだこーだーしながら過ごしてく。そのモヤモヤ感ゆえに序盤で挫折する人もいるが、いつの間にか脚本と演出に騙されて見入ってしまう。これは志村貴子作品全般に言えることなのですが、人間が持つ情緒不安定で分からなく言葉で表現しにくい感情を鮮明に描いているからこそ感じ入ってしまうのではないかと思っています。
漫画特有のコマ割からくる『間』のつかいかたも意味深で絶妙。たまには甘ずっぱくない青春モノが見たい!という方におすすめ。苦ずっぱいお話です。何が面白いのか説明するのが難しい作品。

限りなく偶然だけどもゆとり世代と呼ばれる教育は当作品の連載が終了する年から行われました。

※このレビューがネタバレしてると思ったら...?

サンキュー

2

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