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とにかくひたすら、アラル海(現在はほぼ干上がってい...

4.5

投稿 : 2016/07/28 23:22

状態 : いま読んでいる

とにかくひたすら、アラル海(現在はほぼ干上がっていますが、かつては海と同じ塩湖で水生生物が豊富な、良い漁場だったそうです)沿岸で主に漁業で生計を立てている定住民と、狩猟と羊の放牧が主の遊牧民の交流が、双子の結婚式(と言うより村を上げてのお祭り!)を通して、緻密にしかし盛大に描かれています。
この場面を描く事に、作者は相当の力を入れたと見え、掲載を1度休むほどの熱の入れようです。そして明らかに、コミックスではその場面にさらに新たな場面と、細かな修正が加わっています。

この異文化のお祭りに近い結婚式に、近代人的なイギリスの学者スミス氏は戸惑うばかりですが、それでも為すがままに任せて、ひたすら記録を取る態度は立派だと思います。
またこの物語の特徴は、予め作者が宣言したように「信仰はともかく宗教は描かない」とした点が、大きいと思います。結婚の儀式を執り行う祭司も、飽くまで信仰される「神」に対する、儀式として2人……今回は、双子と兄弟の同時結婚式ですから、二組の!ですが……。
その分盛大且つ、大層な式典としての儀式を、厳かに行っています。

そこでスミス氏に、「あの司祭という方は偉いのですか?どのくらいの地位に、いらっしゃるのでしょう?」と聞かせていますが、その返事は「さぁネ、この辺じゃ皆あの人が取りきっているよ」という、実にアバウトなものです。
信仰としての、儀式のとりまとめだけならば、組織として上下関係は関係有りません。丁度日本の神社の宮司が、元々の基本的には上下の格式は無く、専業宮司よりも別に生業を持ちながら、儀式の時にだけ宮司役を務めていたのに似ています。
現在でも、そういう宮司さんのおられる神社は、全国に多数有ります。何しろ、日本にはある意味で村や町はもちろん、山や河や田畑の数だけ神社があり、神様がおられると言っても過言ではありません。これだけの神社を、専業宮司や巫女さん達だけで賄っていけるはずもなく、平日はサラリーマンで休日は宮司。そして巫女さんは、日雇いの?アルバイトという事も、珍しい事ではありません。

→詳細:拙ブログ記事
http://aonow2.blog.fc2.com/blog-entry-1137.html
その他色々!

サンキュー

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