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ヴィクトリア朝時代の英国を舞台とした、とあるメイド...

4.5

投稿 : 2018/09/30 17:47

状態 : 読み終わった

ヴィクトリア朝時代の英国を舞台とした、とあるメイドとジェントリの身分を超えた恋愛物語。

主人公の「エマ」は漁村で育てられ、人買いに拐われたが辛くも逃げ出して、花売りをして日銭を稼いでいた経歴があり、その後運命が重なって、引退したガヴァネス「ケリー」のオールワークスとしてメイドに雇われていました。
「ジョーンズ」は裕福な貿易商のジェントリで、ケリーの生徒でした。
ある日、恩師であるケリーの家を訪ねたジョーンズはエマに出会い、ロマンスが始まります。

ヴィクトリア朝時代というと産業革命による経済成長や科学の発展、芸術ではミレーやターナー、文学ではディケンズにオスカー・ワイルドなど、まさに英国の絶頂期というべき時代で、一方で偏重的で厳格な階級制度が敷かれていた時期となります。
ジョーンズは貴族ではなくジェントリで、社交界の振る舞いや商売の出来によっては簡単にエリートから零落するポジションです。
そんな中、平民のメイドに恋をしてしまうことは、ここまで家を積み上げてきた父や祖先の努力を足蹴にする許されない行為であることは想像に難くない。
父の反対、エマとのすれ違い、政略的な婚約、身分の壁などの障害の果て、辿り着く話になっています。

時代考証がしっかりできていて、作者の英国愛が深さが感じられます。
歴史は学校やネットで学ぶことができますが、本作はその時代のリアルな息吹を感じることができました。
産業革命を中心とした英国史に興味があればより楽しく読めると思いますが、知らなくても楽しめると思います。

全10巻ですが、7巻で一旦完結、8から10巻は短編集となっています。
10巻ラストではエマとジェームズのその後が描かれています。
いろいろ語り尽くせていないと感じる部分もありますが、ことエマとジェームズのストーリーとしては本作で完結していると思います。
とはいえ不完全燃焼な感があることも確かなので、さらなる番外編の発表を期待しています。

※このレビューがネタバレしてると思ったら...?

サンキュー

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