作品の完結前に漫画全般を読まなくなってしまったため、「途中で断念した」としていますが、全巻揃えることができるならばぜひとも最後まで読みたい作品です。

この漫画の主人公・青葉茂が、高校サッカーでは弱小の武蔵台高校に入学するところから物語は始まります。

彼は中学卒業まで陸上競技をやっており、中学校記録保持者でもあります。
弱小のサッカー部とともに成長していく主人公の姿は、当時のスポーツ漫画特有の超人的な能力や必殺技などを殆ど用いることなく、現実にも起こり得そうなリアリティーを以て描かれています。

本作品の連載中にＪリーグの発足したことと歩調を合わせるように、物語の舞台は高校からプロへ、そして世界へと移っていきます。

この当時では、世界で活躍した実績のある日本人プレーヤーは、私の知る限りでは奥寺氏くらいしかいませんでした。
従って、リアルタイムで読んでいた頃は、この作品の舞台が世界に移るにつれて、リアリティーが損なわれていくように思えたものです（日本人がこんな舞台で活躍できる訳がないと思った）。

しかしながら現在では、スペインやイングランドでは第一線で活躍するプレーヤーはいないものの（現在、岡崎が或いは…といったところでしょうか）、ドイツやイタリアでは既に何人もの実績があります。
ワールドカップでも予選を２度突破し、巡り合わせによってはさらに上を目指すことも不可能ではないとまで思わせてくれるようになりました。
（現実にはそう簡単ではないでしょうが）

途中まで読んだ限りにおいては、この作品は、現在の日本サッカーを予言していたように思えます。

表紙の絵をご覧になれば分かるとおり（？）、絵を重視する方にはオススメしません。
本作品はストーリーを楽しむものです。