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明智光秀の子孫であると称している歴史研究家・明智 ...

4.5

投稿 : 2021/06/06 01:15

状態 : 読み終わった

明智光秀の子孫であると称している歴史研究家・明智 憲三郎氏の著書『本能寺の変 431年目の真実』を下敷きにした歴史マンガ。
逆賊と謳われ、主君である織田信長を殺した"本能寺の変"を起こした「明智光秀」を主役に、なぜ本能寺の変は起きたのか、その裏側にあるドラマを、独自研究による信憑性の高い文献から解き明かした内容となっています。

正直なところ、信長や秀吉、家康の活躍していたこの辺りの歴史は個人的にすごく苦手です。
そのため、作中は「~~が通説だが、実は~~であった」みたいな部分が多いのですが、前提として知識が無いので読み進めるのに苦労しました。
話題作であることと、これを機会にちょっと勉強してみようという気が出て、本書を繙いてみたのですが、読みながらググり、ググりながら読むような感じでした。
ただ、マンガとして読んでいて面白いので、理解しながら楽しく読めました。
歴史上の事件はその通りに書かれていること、また信長、秀吉、家康を始め、甲斐の虎・武田信玄、越後の竜・上杉謙信などなど、この頃の時代は歴史上のスターが揃っているので、歴史を学ぶためにも良書だと思います。
ただし、本書で書かれる歴史は、結構専門家から太鼓判を押されたものでもないそうです。
そのため、定説や、眉唾であっても一般的に語られている歴史と、明智 憲三郎氏の提示する説の違いを理解する必要があり、注意が必要です。

1巻は"本能寺の変"直前から始まり、"本能寺の変"が終了するまでを一通り流し、2巻から再度、信長包囲網から開始となります。
明智光秀が織田信長にとってどれほど信用がおける男であったか、幾多の戦いを乗り越えて、信長を支えてきたかが、まずは描かれます。
信頼の置ける家臣であった光秀が、当時最盛を誇っていた信長をなぜ討たねばならなかったのか、その理由と、どのようにそれを実行できたのかという、黒幕の存在を指し示す展開となっています。
この辺りの研究が後世の創作を参考にしたり、"本能寺の変"以後秀吉によって書かれた『惟任退治記』を鵜呑みにしたものであったのは事実の部分もあるそうで、そのため、より信憑性の高い資料・史実から類推したのは評価されるところだそうです。
私自身、専門家ではないので、"本能寺の変"という日本史上のミステリーを解き明かす答えの一つとして面白く読みました。
また、日本史的にもいろんな勢力が混戦したわかりにくい場面だと思うのですが、歴史に疎い私が読んで楽しめたので、一般的に楽しめる作品だと思います。

全8巻と短いですが、壮大な歴史ドラマを感じる名作でした。
読み終わった後は、城や合戦場跡などに、フィールドワークにでかけたいと思いました。

※このレビューがネタバレしてると思ったら...?

サンキュー

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