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和山やま氏の初の単行本。 Wikipediaによ...

4.5

投稿 : 2021/06/19 18:27

状態 : 読み終わった

和山やま氏の初の単行本。
Wikipediaによれば、元は同人誌として頒布されていた作品ですが、コミックビームの編集者の目に止まって単行本化されたとのことです。
2019年から活動開始なので、2021年6月の現時点でマンガ家としてはデビューしたての新人なのですが、本作は2020年のマンガ大賞で7位にランクインしいて、さらに同作者の別作品『カラオケ行こ!』は、翌2021年のマンガ大賞で3位に選ばれています。
また、本作はその他にもいくつかの賞を受賞していて、大西流星主演でドラマ化もされており、和山やま氏は今注目の作家といえると思います。

内容は全8編の作品からなる短編集です。
ただ、前半の4作と後半の4作はそれぞれ一連の作品となっています。

前半の4作『かわいい人』から『走れ山田!』までは、ミステリアスな男子高校生「林美良」が中心になっています。
最初の作品『かわいい人』では、体育祭で借り物競争に出場した「江間くん」は"かわいい人"を借りるというお題を広い、その時目に付いた、なぜか網に絡まっている林くんを借りてゴールします。
それが嬉しかったのか、林くんは江間くんにかわいいいアピールをします。
授業中にクマに偶然遭遇した際に備えるための本を読んでいた林くんは、江間くんの家にパンダのキグルミ姿で現れ、生活を脅かし職質に会うという内容となっています。
端的に言うと林くんは相当変なやつで、シュールな笑いを誘うギャグ漫画となっています。
タイトル、作品の雰囲気からBL的な作品かと思ってドキドキしてページをめくったのですが、思わぬ嬉しい誤算でした。

後半4作は"二階堂シリーズ"です。
二階堂くんはジメジメして陰気な雰囲気を醸しており、目が合うと金縛りにあうだの、二階堂に触れると二階堂になるなどの噂があるため、誰も近づこうとしません。
伊藤潤二か丸尾末広のキャラクターのような見た目の彼ですが、クラスメイトのユウイチくんは、ひょんなことで彼が、中学校の頃はジャニーズ系美少年で、女の子の人気者だったことを知ります。
試しに二階堂くんを笑わせてみると、とてもかわいい本当の彼の顔が顕になってしまい、ユウイチくんは、二階堂くんが人を遠ざけるためわざとそういうキャラ付けをしていたことを知るという展開です。
こちらもシュールなギャグ漫画で、前半の4作同様どこかほっこりした気持ちになれる作品でした。
もてないようにするため入学式に向けて坊主頭にし、ブレザーのすそをズボンにインして高校デビューに挑むなど、林くんと同じく二階堂くんもかなり変なキャラです。

読んでいて何度もフフフッとする、不思議な魅力があふれる短篇集でした。
タイトル通り、君に夢中になれる作品だと思います。

※このレビューがネタバレしてると思ったら...?

サンキュー

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