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1990年代の格闘ゲームの流行によりブームとなった...

4.5

投稿 : 2021/10/24 18:14

状態 : 読み終わった

1990年代の格闘ゲームの流行によりブームとなったアーケードゲーム。
その頃の一般的な小学生たち同様、なけなしのお小遣いをゲームセンターにつぎ込んだガイル使いの少年「矢口春雄(ハルオ)」と、ザンギエフ使いの少女「大野晶」を主人公にしたラブコメ作品です。

小学生から高校生に進学し、小中と卒業式を迎えるが、ゲーセンだけは卒業できない少年が主人公で、ラブコメ作品ではありますが、主人公の脳内は魂寄せからの鬼炎斬コンボで頭がいっぱいという残念なラブコメとなっています。
ヒロインも作中、言葉らしい言葉を発さず、主人公にどういう感情を持っているのかもよくわからないまま、ファイナルファイトを涼しい顔でノーコンの上トップスコアでクリアします。
相手を喜ばそうとか、そういう好き同士であれば当然発生する感情のやり取りは無く、ただ、「ギャフンと言わせてやりたい」、「新作ゲームが出たから語り合いたい」という感情で一緒にいるようにも見えるのですが、傍目にはとても仲がよく、早くつきあってしまえばいいのにとヤキモキさせる展開となります。

登場するゲームは実在のもので、ストⅡがストⅡ'になり、ダッシュ ターボになり、レインボーなんていうよくわからないものが登場したりして、スリーはいつでるのかと話題になったりする(そしてスリーではなくZEROが出る)など、当時を知る人が読むととても懐かしいです。
ストⅡだけでなく、龍虎の拳や、サムライスピリッツ、ワールドヒーローズ、ヴァパイア、キングオブファイターズなどなど、格ゲーのみではなく源平討魔伝、魔界村、大工の源さん、パズルボブルやぷよぷよ、パロディウス、タントアールなど、ゲーム愛に溢れたキャラクターたちが登場するので、ピコピコ少年だった自分としては感涙の内容でした。
タントアールとかイチダントアールとか、当時ゲームギアでもやりまくってたなー、と。
ただ、私的にはゲーセンに行く目的は目下音ゲーだったのですが、本作では音ゲーについては取り上げられませんでした。
ハルオの趣向的にあっていないので仕方ないと思いますが、音ゲーも黎明期は色々出て(カラオケとかパラパラとか)衰退していったので、少し残念でした。

また、後半で主人公が大阪のゲーセンを見て回るシーンがあるのですが、そこに新世界のQティーが少しだけ登場したのにとても感動しました。
あと、日本橋のフェラーリが登場します。
私の知っている頃には名前はSCOTになっていましたが、フェラーリの看板だけは見覚えがあり、ここもよく行っていたなーと懐かしい気持ちになりました。
本作を読むと、ストⅡではブランカ、ヴァンパイアではガロン使いだった自分を思い出し、あの頃のアーケードゲームをまたやりたい気持ちになりますね。

気づけばゲーセン談義になってしまいますが、ラブコメ部分もすごく良いです。
押切蓮介といえば『ドヒー! おばけが僕をペンペン殴る!』とかのイメージだったので、本作を読んで驚きました。
なお、ハイスコアガールは著作権侵害により一時連載が中断されましたが、その後和解が成立しています。
その上で、加筆修正版として、最初5巻分だけ『ハイスコアガール CONTINUE』として発売されています。
ハイスコアガールの5巻までとCONTINUE 5巻は、基本的に同じ内容なので注意ですね。
続編も連載中なので、引き続き楽しみです。

※このレビューがネタバレしてると思ったら...?

サンキュー

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