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94歳で天寿を全うした剣の達人が、神様によって18...

5.0

投稿 : 2022/03/17 22:32

状態 : いま読んでいる

94歳で天寿を全うした剣の達人が、神様によって18歳の青年として異世界転生する。
そんな彼が出会ったのは、傭兵達に襲われている剣士(黒髪ポニテ天然美少女)と僧侶(金髪巨乳腹黒美少女)の2人。あっという間に傭兵達を叩きのめした後、彼女らのパーティに加わり冒険をすることになった。

異世界転生モノでは、前世では喧嘩をしたこともないヒキコモリがチート能力で無双するという設定がありがちだが、本作品の主人公は生前から"剣鬼"として恐れられた剣豪であり、転生後も躊躇なく剣を抜く判断の早さが特徴になっている。

その後、彼の周りには妖精シルキー(ロリっ娘)、美少女エルフ(実年齢70歳)、魔族女(マッドサイエンティスト)、剣士の妹(利発で可愛い)、剣士の母(36歳爆乳未亡人)…と見事なほどバラエティに富んだ濃いハーレム要員が集まってくるが、精神年齢94歳の枯れた主人公は特にガッツかず、また権威に対して忖度することなく仲間として大切に扱う姿が尊い。

本作品は、なろう→商業小説化→コミカライズとラノベの王道を歩んでいるだけでなく、コミカライズの際にはシナリオの見直しが行われブラッシュアップされているのが見事だ。
また漫画作画の安房さとる氏は非常に画力があり、女性キャラを含めて皆魅力的に描かれているのも良い。女僧侶が時々見せる冷めた態度(別名:目でコロす)もいい味を出している。

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と、良いことづくめの作品だが非常に残念なことがある。

それは、主人公が生前"剣鬼"と呼ばれていたエピソードが戦時中に中国大陸で虐殺をしていたことを暗示していると、中国のメディアが騒いだことだ。
しかし実際に本作品を読むと、武者修行で中国渡り黒社会の刺客として闇組織メンバーを手にかけた話はあるが、日中戦争で現地の人を殺したとは書かれておらず、これは言いがかりである。

中国側もそのミスに気付いたのか、次に原作者が以前Twitterでヘイトスピーチをしていたことを探し出し、改めてこちらを指摘してきた。
原作者はこの件について謝罪したが、ことを重大に捉えた出版社(ホビージャパン)は書籍版の出荷を停止し、更に進行中であったアニメ化も中止する羽目になった。(2018年)
コミックについては連載を継続していたが、2021年12月にキリの良いところで終わらせている(小説の第6巻目に相当)。ちなみにラストはジャンプ打ち切り漫画のようなお約束のシーンであり、非常に悲しかった。

確かにヘイトスピーチは良くないが、個人の過去の発言をわざわざ掘り起こしてくるのは悪質であり、また出荷停止にしたのも他にやりようがあったのではないかと思う。

本作品はコミックとして非常にレベルが高く、このままなくしてしまうには惜しいと考えている。
特に小説書籍が出荷停止になった後も3年間コミックを連載してくれたKADOKAWAには感謝しかない。その意味で本作品の評価は5.0としたい。

※このレビューがネタバレしてると思ったら...?

サンキュー

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