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平凡な少女が手に入れた力は、異形の豪腕。 ”...

5.0

投稿 : 2015/11/15 20:47

状態 : 読み終わった

平凡な少女が手に入れた力は、異形の豪腕。

”異能”ってのは本来”力”でしかなくて、使い方次第でどうとでもなってしまう、のは判りきったハナシなんだが、しばしばフィクションではそれが忘れられたりする。
”味方”の”力”は如何にもカッコよく、”敵”の”力”はなんとなく禍々しい。まあ爽快感があってよろしいww
そして、主人公はそんな”力”をなんやかやと葛藤しながらも”上手く”使ってセカイを塗り替えていく。
そんなものだ。

本作は違う。
少女に与えられた”力”は化け物としかいいようのない左腕。
しかも、彼女はそれを”上手く”使う事もできず自分とセカイとを傷つけていく。
あまりにも悲痛な物語だが、そんな彼女が自らと向き合い、その魂を解放するラストシーンには凄絶なカタルシスがある。社会的な”痛み”が許容範囲を超えて、むしろ笑えてくる瞬間を体験したことがあると思うが、アレを紙面で追体験できるのである…したいかどうかは別だが。
そんな作品にはあまりお目にかかれない。この漫画で流す涙は、貴方自身の涙でもあるのだ。

そしてエンディングの美しさ。
著者の繊細な絵が、画だけで全部持っていく。
この感覚は漫画という表現ならではだろう。

今読み返すと「あの頃」的なセンスが懐かしいなぁ。苦悩と痛みに満ちた世界であったよ、ホント。

※このレビューがネタバレしてると思ったら...?

サンキュー

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