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一風変わった青春群像劇です。 「女の子になりたい...

4.5

投稿 : 2016/11/26 22:19

状態 : 読み終わった

一風変わった青春群像劇です。
「女の子になりたい男の子」と「男の子になりたい女の子」を中心に
クラスに一人や二人いた変わり者がこの漫画ではたくさん登場します。
書き込みの少ない白っぽい作画が
子供の頃の出来事の曖昧さ、懐かしさを感じさせます。
淡々とした雰囲気の中でもキャラクターは活き活きと描かれていて、
青臭く、時に鬱陶しく思えるほどインパクトが強い。

性的マイノリティをテーマにした作品ゆえに、
物語は「自分が何者かを知る」という結論へたどり着きます。
その答えを知った時に、どうにも好きになれなかった登場人物たちに対する思いも変わりました。

最終話のヒロインの涙を見て切なくなった。
同時に、残酷な設定をキャラクタに与えながら
優しく丁寧に描かれたこの作品を素晴らしいと思った。

「女の子になりたい男の子」と「男の子になりたい女の子」

放浪息子は二人の主人公を運命の出逢いに見せておきながら、
意識のずれを成長とともに開かせて決して叶わない恋を作り上げています。
その悲痛なる結末は私たちの記憶の中の引き出しにある痛みを思い出させ、
性的マイノリティに入る人が経験したであろう苦しみを想像させます。

文学性の高い作品です。
漫画にエンタメ以上のものを求める大人の方にお勧めします。

※このレビューがネタバレしてると思ったら...?

サンキュー

3

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