甲子園制覇7回、春夏通算96勝。
かつて球界において、絶対的なブランド力を誇っていたのがPL学園野球部です。
PL出身でプロ入りした一部の選手を紹介すると、
清原和博、桑田真澄、立浪和義、宮本慎也、松井稼頭央、福留孝介、前田健太
と錚々たる顔ぶれです。
これで「一部」ですからね。
プロ入りを目指すならPL学園の野球部に入部するのが最短ルートと
言われていたのも納得です。

しかし、そんなPL学園野球部も2016年に実質上廃部に追い込まれます。
度重なる暴力事件。その背景にあるのは、寮生活を始めとする特殊過ぎる閉鎖空間です。
3年神様、2年凡人（平民）、1年奴隷と確固たるカースト制度が敷かれ、
1年は野球どころではなく、睡眠時間もろくに確保できないという過酷な環境だったようです。

嘘禁止、喧嘩禁止、陰口禁止、逢引禁止、
1年同士の私語禁止、上級生に使える言葉は「はい」と「いいえ」のみ、
女を見るのも禁止、笑顔禁止、水は食事の時以外禁止。

上級生の前で1年がヘラヘラ笑っていたらそれだけで大事件です。
PL野球部ではなにかやらかすと「事件」と呼ばれ、
許容範囲を超えるような事件になると、連帯責任として全員呼び出されます
（これを「説教」と呼ばれていたようです）。

呼び出しを食らった下級生は無論全員正座です。
地獄のV字腹筋をやらされることもしばしば。
下手したら拳や足が飛んできます。

また、3年生1人につき最低でも2年1人、1年1人が付き人となる
付き人制度なるものが存在し、下級生は上級生に尽くすことが
当たり前という環境だった訳です。

PL野球部出身のとあるOB曰く
「1年（奴隷）の頃は生きてるだけでOKと思った」
「今でも1年（奴隷）の頃の夢を見てうなされることがある。目覚めて夢でよかったと思った」

PL学園野球部の奴隷生活は地獄すらも生ぬるい、そんな環境だったのかもしれませんｗ
本作はその地獄の奴隷生活を経験した作者が描く
PL学園（作中ではDL学園）野球部のリアルです。

おもしろいです。是非ご覧あれ。
ちなみにですけど、もちろんフィクションですよｗ