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美というものを重視している点が良いと思う。 ...

4.5

投稿 : 2018/10/11 03:00

状態 : 途中で断念した

美というものを重視している点が良いと思う。

昔ブリーチのDSの格ゲーがかなり好きでよく遊んでた。あのソフトの特に良かったのはソフト1つであまり制約なく複数人対戦できることで、このおかげでかなり楽しめた。

もう漫画もあまり読まない歳になってきたけれどとても久々にナルトを読み、ブリーチを読んでみたが、ブリーチは適当に途中までしかストーリーを追ってなかった(多分アニメでアランカル編の途中まで?見てたのだけどかなり適当に見てたのか記憶が曖昧)ので結構楽しめた。アニメと違って話が引き締まっているのも良い。

日本というのはかなり冷笑的な思想が根深い国で意識高い系とかオサレ系とか揶揄されることが多いけれど個人的になにか美学に対するこだわりのようなものを持った作品というのは好きでBleachにはそういったものがある。
直接言葉にしないで絵に若干情報を散りばめたりとか、あんまり深く語らずに設定のチラリズムをすることが多くて読者に想像の余地を与える奥ゆかしさがある。
またキャラデザがとてもよくて、新キャラがバカスカ出てきてもオリジナリティのようなものを持たせながら愛着が湧くようなキャラに仕上げられている。


長期連載漫画の宿命か、後半はやや蛇足的ではあった気がするがナルトとかがつまらないを超えてある種の不快感を持っていたのに対しこちらはある程度それを維持できていたと思う。

また、幽遊白書を思わせる部分が結構あり、冨樫の影響を感じさせる。
1: 物語のはじめが霊界の女の子を助手にした喧嘩っ早い青年の現実世界での幽霊の除霊話から始まるところがかなり似てる。
2: 妖怪話がひと段落して一転、人間の能力にフォーカスする幽遊白書の仙水編とアランカル編後の消失編。舞台だけでなく、それまでの力押し的なバトルから力押しじゃないトリッキーで尖った能力者(月島にせよリルカにせよ、そして雪緒に至っては天沼そっくり)を押してくるところ、はたまた黒幕が先代の霊界探偵なのに対して黒幕が先代の死神代行であったところなど。そもそも仙水
3: 大妖怪の隔世遺伝である主人公vsユーハバッハ・ホロウと敵陣営の要素を出自に色濃く持つ主人公
4: 後半につれて増える話の初めの詩的な設定語り


アニメとかゲームで色々変な印象がすりついていたのか、実際に漫画でじっくり読んでみると、なんとなく記憶に残っていたより義骸ルキアが雑魚いだったり、石田雨竜がもっとずっと半分裏切り者みたいなグレーポジかと思ったら全然そうでもないとか色々新発見?があった。

あと読み終わってからバウント編についてちょっと調べたらアヒルとキュウリとうさぎのぬいぐるみのキャラ出てきてなんかめちゃくちゃ懐かしい感じがした。アレ、アニオリキャラだったんだっけ?
個人的な少年アニメ・漫画読み漁りのピーク時期が多分アニメだとアランカル編入ってないくらいだった気がしてソウルソサエティ編あたりまではかなり明確に記憶があるけどアランカル編はうっすらとしか記憶になくてむしろバウント編のあの3匹のぬいぐるみ方が記憶が根深いかもしれない...

脱線はさておき、長期連載なので部分ごとの感想を述べる。

死神代行篇:
ストーリーとしてあまり印象に残るものではないがルキアのキャラはとても良いと思う。

尸魂界篇:
おそらく作中の白眉。尸魂界自体の組織や人間関係などのバックボーンがわりとしっかりあって群像劇のようにストーリーが動くのも良い。主人公の戦いだけでなく、藍染の周りで動くストーリーの軸があったりするところも良い。
ただなまじ記憶がかなり残ってるのもありなんかアニメで昔見た時の方が面白かった気がするのは歳をとったからか思い出補正か。
逆に朽木白哉の好感度は年取ってから見るほうが上がった気がする。
死神化が罪になるとかその辺の展開はかなり強引にも感じた。
あと浦原が隠すためにルキアに崩玉を埋め込んでいたという設定は正直論理的にかなりめちゃくちゃだと思う。


破面篇(ウェコムンド):
ネル覚醒が思ったより活躍しなくて残念。他のアニメもそうかもだが、ルキアや乱菊など含め女性キャラ陣のバトルでの活躍が基本少ないのは不遇だと思う。
ウルキオラが一番のライバル的キャラとして登場しキャラデザはめちゃくちゃオサレだが、朽木白哉に比べると主人公の戦う動機的な部分が薄いと感じた。ヒロインを攫ったキャラという意味では共通するが、朽木白哉やレンジは朽木ルキアとの関係性の深さゆえに葛藤と面白みがあるが、ウルキオラと一護の対立関係は薄い。
ストーリーの軸はさらわれた女の子を助け出すという尸魂界編をかなり踏襲したものである種の尸魂界編の変奏だと思う。

骸骨と白衣装、動物を組み合わせた敵キャラのデザインはかなりかっこよいものが多く、その点では尸魂界編より上かもしれない。


破面篇(カラクラ最終決戦):
ウェコムンドでの戦いはアドベンチャー的要素やキャラの魅力も感じられ面白いがカラクラチョウでの最終決戦は本当にバトルバトルだけで人物間の情緒のようなものの関与しない展開が続き、キャラが全員ぽっと出なのでやや面白みに欠ける。一気見でなければ飽きてたと思う。
東仙と檜佐木修兵のやりとりと市丸ギンx乱菊x藍染のやりとりはそういう意味でかなり良かった。
主人公の死神とホロウをめぐる物語として、また藍染をめぐるソウルソサエティの動乱の物語としてかなり大きな物語のつながりがここで区切れるのであとのエピソードはぶっちゃけ半分蛇足、ファンサービスだと思う。
デスノートでのLの死的なというか。まあ多少作品としての完成度を犠牲にして発行部数が下がっても巻数伸ばした方が出版社は儲かるし仕方がない。


死神代行消失篇:
銀城、月島ともに藍染、ウルキオラ、朽木白哉、更木剣八、グリムジョーあたりほどの悪のカリスマ感を出せなかったのは残念。
リルカのキャラやエピソードはとても良かった。
まあ息抜きエピソード。


千年血戦篇:
カラクラ最終決戦レベルでずーっとバトルしてるし、敵対する人物同士のつながりが致命的に薄いこととかがかなり微妙。ユーハバッハのカリスマ感も薄いし全体的に魅力あるキャラが描けてない。京楽春水とか、涅ネム、朽木ルキア、やちるとかの護廷十三隊側のキャラの設定開示、フォローやら主人公、石田家の過去編開示のフォローはわりと楽しかったが魅力ある新キャラが作れてたかというのはかなり微妙。そもそも西洋風でグロめのクインシー集団のキャラデザ自体が凡庸の域をあまり出られなかったと思う。過去エピソードの回想とかも少ないし。
敵キャラで唯一ある程度しっかり描かれてたのがバズビーくらいではなかろうか。リルネットとかバンビとかあの辺の過去とかももうちょっと描いても良かったんじゃないかと思う。
0番隊も魅力があまり感じられない。仮面の軍勢やアランカルは設定に陰影があって良かったが、敵キャラ含めこの章は陰影に乏しすぎた。
藍染と共闘する胸熱展開とか諸々伏線回収などファンサービス的な部分をあくまで楽しむ章という印象。
個人的に大人になった後のエピソードは見なくて良かったかな。



サンキュー

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