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奇才・中山敦支先生の漫画の中でねじまきカギューに次...

3.0

投稿 : 2019/01/25 00:25

状態 : 読み終わった

奇才・中山敦支先生の漫画の中でねじまきカギューに次いで代表作として名前が挙げられることの多い作品です。少年サンデーで2008年頃から約一年間連載されました。
今見るとクセだけでなく粗が多く、連載序盤で読者を獲得できなかったのが短命に終わった原因だと言われていますが、個人的にこの作品で一番評価したい点が作中に登場するアートマンという存在の能力の独創性でした。
アートマンの能力には毎回そのキャラクターのモデルになった偉人に関する事柄がモチーフに使われており、例えば主人公ピカソのアートマン、ゲルニカの能力は「飲み込んだものの原子配列を組み替え再構築しミサイルとして撃ち出す」。=キュビズムですね。
他には斬首刑で処刑されたことで有名なルイ16世がモデルになっているキャラクターは「剣で斬りつけた空間の場所からギロチンを撃ち出し自由な方向へ落下させる。どんな数でもOK。」という能力で主人公たちを苦しめました。(これについてはモデルの人物はギロチンを最初に発明したアントワーヌ・ルイかもしれません、すみません汗)
普通の異能力系バトル漫画では火とか氷とか能力が被ってしまいがちになるところを、このような視点からアイディアを描くことによって異能力バトル漫画として斬新さと独特のバイタリティを生み出しました。
敵が新しく出てくるたびに「こんな敵どうやっても倒せないじゃん!」とありえないような強さのアートマンを出したと思ったら次に出た敵がそれよりさらに強い能力........(戦闘力が作中で最強のアートマンがいたとして、どんなアートマンでも自由に操ってしまう能力のアートマンが出てきたり)なんて、まるでジャンケンみたいとは言いませんが、こちらの想像を簡単に飛び越えていくような作者の描くアートマン達の能力に感動したことを今でも覚えています。
作中のバトルはインフレこそしてましたが、最後まで説明が曖昧だったり描写過剰な能力はひとつもありません。全ての能力がはっきり理屈づけられています。ストーリーの展開は無理矢理が多かったですが……!

絵も作者の味がよく出ていて、好みは分かれるかもしれませんが自分は読んでて気持ちよかったです。

全五巻ではありますが漫画家中山敦支の才能を十二分に予感させた作品ですので、今後中山先生のファンになって「トラウマイスタ」を読むか迷っている人がいましたら、このレビューを見て作品を読むのに踏み切る人がいればとても嬉しいです......!!中山先生のファンなら面白さは保証します!!!確実に!!!

※このレビューがネタバレしてると思ったら...?

サンキュー

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