ミステリー・ファンタジー・青春の要素がうまく混ざった青春ミステリー作品

漫画喫茶で表紙のキレイさとタイトルの不思議さが気になって、そして原作が乙一というのを見て読んでみた作品。

主人公の家は風がよく吹く場所で、ベランダには風に乗って不思議なものがたくさん飛んでくる。
ある日、同級生が殺人をし、その後に自殺した、という未来の新聞記事がそのベランダにやってきて、数日後にその記事の通りに殺人事件が起きて…というミステリー作品。

いじめっ子が殺された事件の謎をひもとくミステリー要素
未来を知る主人公が殺人の後の自殺を止めるために動く青春の要素
ベランダの話だったり山羊の話だったり現実とはちょっと離れたファンタジーの要素

このあたりがすごくうまく混ざってて、ただ悲しいでもただ怖いでもなく、読み終わったときにはスッキリとした、いい作品を読んだなって気持ちになれた。
しっかりと話が進んで1巻で完結するスピード感もすごくよかった。

ミヨカワ将さんの絵はすごくキレイで、等身大の高校生を描いたり、ファンタジー性のある風景やワンシーンを描くのにめちゃくちゃ合ってたと思う。

中学校くらいのときにハマって一気読みした乙一をまた読みたいなって思わされたし、久しぶりに『夏と花火と私の死体』でも読もうかなあ。