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架空の学問「魔物言語学」を現地(魔界)でフィールド...

3.0

投稿 : 2019/05/11 23:52

状態 : いま読んでいる

架空の学問「魔物言語学」を現地(魔界)でフィールドワークすることになった
「ハカバくん」と魔物のお話。
ダンジョン飯の対抗馬的な作品を目指したのかな?と邪推しながら読み始めましたが、
いい意味で期待を裏切られました。

巻末にヤングエースとあるのでその雑誌で連載されていると思われますが、
私はAmazonのおすすめに出てきた単行本を衝動買いして知りました。
コマ割りは普通の漫画なのですが一ページづつにタイトルがついており、
それぞれに小オチがありつつ話が続いていく変則四コマ?みたいな描き方になっているようです。
タイトルに気が付かなければ(私は途中まで気が付きませんでした)、普通のゆるいストーリー物です。

教授が魔界の現地調査から帰還した際、コケて腰をやってしまい入院。
教授から「代わりはハカバくんに頼みたい」と依頼されて現地に赴くところから物語が始まります。
一巻で登場する人間はハカバくんだけで(冒頭を除く)、
あとは以下のような魔物とのコミュニケーションが描かれます。

・教授と関わりのあったワーウルフ(の集落)
・野良スライム
・リザードマン
・クラーケン(の親子)
・ハーピー
などなど。。

ハカバくんは言語学(及び魔物とのコミュニケーション学)の学生?らしく
基本的に「どうやってコミュニケーションをとろう」という事から考え始めます。
よく言えば素直な主人公で、悪く言えば特徴がありません。
この漫画の読みどころはそこではなく、魔物にあるためだと思います。

匂いで会話するワーウルフ、振動で会話するスライム、
形ではなく色が文字になっているリザードマン、
色弱であるためその文字が読めないワーウルフ(会話は出来る)…などなど、
本作の世界での魔物の生態?のちょっとしたリアリティが感じられます。

昔、宮崎吾朗監督のアニメ「ゲド戦記」に対する批判的な海外批評で
「リアリティの上に成り立つファンタジー」という表現がありました。
要は「リアリティがあってこそファンタジーに没入できる」ということだと思うんですが、
アニメの演出とは話が違えど、この作品の読みどころはまさにそこなんだと思います。

※このレビューがネタバレしてると思ったら...?

サンキュー

1

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