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「探偵になることが夢」というちょっと変わった小ボケ...

4.5

投稿 : 2019/05/24 01:41

状態 : 読み終わった

「探偵になることが夢」というちょっと変わった小ボケ女子高生「嵐山歩鳥(あらしやまほとり)」を主人公に、下町の商店街の日常が描かれます。
強いて言えば一話完結のギャグ漫画…になるんでしょうか。(でもストーリーは繋がってます)
最初はピンとこなかったんですが、読んでいくうちに世界観にハマっていく不思議な作品です。

以下特徴。

■舞台は大田区丸子。キーワードを挙げるとすれば「下町」「人情」。でも歩鳥がバイトしているのは、近所の婆ちゃんが流行りに乗って(?)無理やり始めたメイド喫茶。へんてこで作者独特の世界観。でもなんていうんだろう、変な人ばっかりなんだけどそこにちゃんと人がいる感じがして、読んでいてしっくり来る。
■歩鳥の高校入学から卒業までの三年間が描かれるが、時間軸がバラバラ。例えばある話では冒頭から(なんの説明も無しに)歩鳥の髪が超短髪になっているかと思えば、次の話では元に戻っている。描かれる時間は完全にランダムで「髪を短くした話」がいつ出てくるのかはわからない。作者の趣味?なのか、これでもかというくらいに時間軸に対する伏線がばらまかれ、最終的には並べ替えて矛盾なく繋がるように出来ている。(作者曰くタイトルの「廻っている」は何度も見直して欲しい漫画自体の読み方にも掛けているとのこと)
■基本はいわゆる日常もの(萌えよりむしろサザエさんとかに近い)だが、ミステリやファンタジーやSFっぽい非現実な話がたまに放り込まれる。それが歩鳥の平和すぎる日常に違和感なく混ざり、全体として独特の雰囲気を作っている。

世界観に浸れる、愛すべき作品なんですが、なんとも説明しにくい作品でもあります。
個人的に不意打ちで感動したのはエピローグ。
エピローグを見るとまた最初から読みたくなります。おすすめです。

※このレビューがネタバレしてると思ったら...?

サンキュー

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