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"GANTZ"で有名な奥浩哉氏の作品。 突然現れ...

4.0

投稿 : 2020/03/14 21:55

状態 : 読み終わった

"GANTZ"で有名な奥浩哉氏の作品。
突然現れた宇宙人の手により同じ記憶を持った機械になってしまった初老の冴えないサラリーマン・犬屋敷壱郎が主人公です。

冴えないおっさんが主人公ですがボソボソした暗い雰囲気の作品ではなく、アクションが多めで、ヤクザの事務所に殴り込みに行ったり、同時に機械の体になったイケメン高校生・獅子神皓と殴り合いをしたりします。
おっさんは、ハイパーなロボになりましたが危ない考えを持つわけでなく、不治の病を治癒できるその力をできるだけ多くの人を助けるために100%善意で使う、物語にならないレベルで善人です。
一方で獅子神皓は、人を殺すことでしか生きる実感を感じられず、その力で非道な行いを繰り返します。
そんな2人の対比であったり、また、2人の行動を取り巻く人々の意見やメディアの取り上げ方などの描写に社会風刺的なところを感じました。

ただ、結局のところ何を伝えたかったのかがよく分からなかったです。
匿名性を傘に無責任に意見を吐き散らすネット弁慶や、メディアの巨大さを武器に勝手に大衆の代表然とするテレビなどに、そこが安全地帯ではないという存在を提示してみたというのみに見え、また正直なところ私としてもそれら巨大な力が翻弄される姿は、正直読んでいてカタルシスを感じました。
ですが、終盤にいきなり超展開になって、ラストも電源を落とすように終わってしまいます。
つまるところ何かを伝えたいような雰囲気がありながらも、エンターテイメントだけを提供して終わらせた感じがあり、面白かったですが、物足りなさのようなものも感じました。

絵はGANTZ同様、美しいです。
GANTZとは違い性癖が出た展開はほぼ無く、強いていえば、序盤のヤクザのサウナでのシーンが、股間に来る人がいるかいないかというところですね。
エロに関してはあまり見所は無いと思います。女体より、じじいの裸の方が遭遇率高いかも。

ショッキングなシーンも多々ありますが、それも含めて楽しめる方向けの作品です。
全10巻と、ダラダラ続けずにすっぱり終わったのも良い点かと思います。

※このレビューがネタバレしてると思ったら...?

サンキュー

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