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"甲賀忍法帖"の続編。 山田風太郎氏は、"甲賀忍...

4.0

投稿 : 2021/04/05 22:35

状態 : 読み終わった

"甲賀忍法帖"の続編。
山田風太郎氏は、"甲賀忍法帖"の後も忍法帖シリーズを色々執筆していますが、本作は忍法帖シリーズではなく、原作は山田正紀氏のトリビュート作品です。
山田正紀氏による忍法帖トリビュート作品は2作あり、"桜花忍法帖"は、マンガの"バジリスク"の続編として書かれたものとなります。

時系列的には、"甲賀忍法帖"の10年後となっています。
主人公は甲賀の「甲賀八郎」と、伊賀の「伊賀響」。
二人は生まれながらにして瞳術を宿しており、甲賀と伊賀の二人が契ることで"桜花"と呼ばれる力が発現すると言われています。
伊賀と甲賀は先の大戦で争うことは止め和解の道を歩んでおり、二人は幼き日より許嫁として育てられてきました。
そんな折、成尋衆と名乗る者共が、徳川の命を受けて、「甲賀八郎」と「伊賀響」を差し出すよう、忍びたちに申し入れを行う。
それを拒否する甲賀五宝連と伊賀五花撰だが、成尋衆の特異な秘術を前に為す術もなく、命を落としてしまう。
そして伊賀響は敵の手により五体を引き裂かれ、甲賀八郎は逃げおおせる。
敵に捉えられた伊賀響の両腕と両脚を取り返すため、甲賀八郎と新・甲賀五宝連、新・伊賀五花撰が、成尋衆に立ち向かう、という展開です。

前作同様、異能者バトルじみた、自然法則を超越した忍術を操る"忍"が多数登場しますが、今回は前回に輪をかけてありえない能力が繰り出されます。
成尋衆は"魔術"と呼ばれる力を使うことができ、例えば、時空間転移や、時の巻き戻しなどを行うことができるので、より異能者バトルめいた内容になっていると思いました。
また、"甲賀"と"伊賀"がいがみ合っていたため戦争をしていた前作に比較すると、ストーリーもかなり複雑になっています。
本作は、曲がりなりにも主君の命に忍が歯向かうことから始まっており、ストーリー進行上も不自然な感じを受けました。
忍びたちも前作のような"見るからに異形"みたいな存在が少なく、基本的に美男美女なため、個人的には前作のほうが良かったと思いました。

ただ、異能vs異能のバトルは健在であり、本作も敵味方ともにテンポよく死んでいくので、読みやすく、先が気になる展開でした。
前作読了済みの方が楽しめますが、未読でも問題ないと思います。
ネット上の感想を見ていると賛否あるようなのですが、個人的にはとても楽しめました。

※このレビューがネタバレしてると思ったら...?

サンキュー

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