
カイジシリーズで有名な福本伸行が週刊少年マガジンで連載していた作品。
福本作品ですが、テーマはギャンブルではなく、主人公は中学生くらいの年齢の少年です。
人は他人に庇護されるべきではなく、孤立すべきであるという独自の哲学を持った少年「工藤涯」が主人公。
殺人の罪で追われている涯は、無実を訴えるが警察に追い詰められ、人間学園という更生施設に送り込まれます。
人間学園からの脱出と冤罪を晴らし無実を証明することを目的に、人間学園で逆転のチャンスを伺うストーリーとなります。
いつもの福本作品らしく、テンポは遅いが読みやすくて面白いのですが、少年誌のターゲット層にあったテーマでなかったためか、人気が出ず、1年以内で打ち切りになりました。
そのため、全5巻と非常に短く、内容は人間学園でのストーリーがほぼ全てです。
ラストは、話に収拾はついているのですが、大立ち回りの結果としてはインパクトが弱く、打ち切りの印象があります。
ただ、個人的には、なぜ打ち切られたのかわからないくらい面白い作品だと思いました。
序盤、大勢の警官に追い詰められた状態で、起死回生の脱出を図るシーンも印象に強いですし、人間学園での「悪魂退散!悪魂退散!」、「素直になぁれっ…!」と言いながら電撃を食らわせるシーンは、現在も語られる名シーンです。
なんだかんだで、巨悪に鉄槌を下すことにも成功していて、少なくとも人間学園部分はキレイに終わっているので、今読んでも楽しめる作品だと思います。
知る人ぞ知る、マイナーな名作です。
サンキュー
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