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15世紀ヨーロッパのとある国を舞台に、教えに背くた...

4.5

投稿 : 2022/08/27 12:57

状態 : 読み終わった

15世紀ヨーロッパのとある国を舞台に、教えに背くため禁じられた『地動説』を危険を犯して研究し、そして死んでいった人々を描いた作品。
なお、中世ヨーロッパで宗教の教えに反する理由により地動説を弾圧したという歴史的事実は無く、本作は完全なフィクションです。
本作を鵜呑みにして、『昔は地動説を信じると勾留された』みたいな話をドヤ顔でしてしまうと、逆に変な目で見られるので注意が必要ですね。

タイトルの"チ"は、地、血、知の意味があります。
15世紀、ヨーロッパのP王国では、C教という宗教が中心となっています。
その宗教の教典では"地は動かない"旨の記載があり、人々は教えに沿って、世界は地球を中心として天が動いている"天動説"が絶対のものとなっていました。
主人公の12歳のラファウは、大学への進級が決まっており、神学を専攻するつもりでした。
そんな折、異端者として捕まっていた学者・フベルトと知り合います。
研究を続けるため、改心したと嘘をついて出てきたフベルトは、ラファウに地動説を伝え、ラファウはそれに心奪われます。
だが、異端審問官のノヴァクは、そんな彼に疑いを持っていた、という展開です。

"C教"というと、Catholicを想起しますが、恐らくモデルとしていますが、架空の宗教です。
一章の主人公として12歳のラファウが据えられていますが、話が進むに連れて主人公は変わります。
ただ、その情熱、研究だけが、何らかの形で伝えられる、という内容です。
現実では、教会とアリストテレスが天動説をドグマにし、後にガリレオ・ガリレイが地動説を唱えましたね。
ガリレイが異端扱いされたのはガリレイが教会から快く思われていなかったためというのは、現在では一般的ですが、本作は地動説=異端ということにした上で、誇張した内容となっています。
地動説を唱える学者は地下で研究を行っており、バレると拷問され、研究は燃やされて、火あぶり、つまり復活に必要な肉体も焼失させられます。
ためになる作品かと思いきや、意外に血生臭く、拷問や自害のシーンも生々しく描かれています。

常識と異なる研究を反対されても信じ続ける人々が熱いです。
グロいシーンもあり、テーマもニッチで全体的に重いですが、引き込まれる作品でした。

※このレビューがネタバレしてると思ったら...?

サンキュー

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