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なろう原作のファンタジー物で2023年2月現在、商...

1.0

投稿 : 2023/02/08 21:23

状態 : いま読んでいる

なろう原作のファンタジー物で2023年2月現在、商業小説既刊7冊、コミック既刊11冊、更に本年1月からアニメ化と客観的に見て人気があるから、きっと面白いに違いない!と期待して読んでみたのだが……全く面白くなかった。というか、読むのが苦痛レベル。ただ、後述するがギャグ漫画としてなら及第点。

本作品では「コード理論」という理系的な法則によって魔術を説明しており、その意味で魔術とは情報工学の一種とみなしている点は面白いのだがそれがメチャクチャなのだ。おそらくIT関係のキーワードをかじっただけの素人が雰囲気で設定を考えたのだと思う。
魔術を実現するステップとして、まず万物の根幹をなす物質を「エンコード」して続けて「デコード」するのだが、そんな意味のないことなんでするの?
例えば、音声生データであるwavファイルをmp3にエンコードしてから再度デコードすればwavに戻せるけど、そんなことをしたらせっかく元のwavが持っていた繊細な情報が欠落するだけじゃないか?
本理論のおかしいところは、更にデコード後に「プロセッシング」という情報の追加・削除をするって、だったら最初に生のwavファイルに対して処理するのがベストなのに何故この段階でやる?
※おっとここで「面白きゃいいんだよ」と思考停止しないでくれ。せっかくコード理論という高尚な理屈を原作者が用意してくれているのにそれは失礼だ。
※SE・プログラマーとして長年ソフトウェア開発をしてきた自分なら、まず万物の根幹を「デコンパイル」してカスタマイズ可能な状態にコード化し、「エディット」で改変し、次に「コンパイル」してオブジェクト化して、最後に「リンク」で実行形式にするというコード理論を作る。

ちなみに原作者(御子柴奈々)の他の作品としては『七聖剣と魔剣の姫』が挙げられるが、私はこの作品のレビューで
>正直言って中二病受けし易い”勢い"だけで話を進めている感が否めない。冷静に考えると意味不明なところが多すぎる。
と評した。本作品もまさにこれと同じでそもそも御子柴奈々という人は論理的な設定を作るのが苦手で、雰囲気だけで書く人なのか?だったら理解できる。

じゃあ、本作品は原作者だけがダメなのかというと、漫画家も論理的な思考が出来ていない。
・カフカの森での実地演習で学園から提供された物資をみて「心もとない」という意見に対して「時計を使って太陽の位置が分かれば北が分かる」と小学生レベルの知識をひけらかす主人公は何者だ?北が分かっても現在位置が分からない限り目的地には着けないんだよ。気になって「なろう」や商業小説を確認したが、こちらにはこんなエピソードは存在しない。当然アニメ版にもない。コミカライズの際に追加した話だと分かった。
また、そこまで偉そうに言った主人公パーティがいきなり森の中で迷うのは何故だ(笑) 「恐らくこの森全体には方向感覚を狂わせる魔術が根付いている」って、だから感覚に頼らないで客観的に太陽の位置で方向を知ろうとしたんじゃないか? 余計なエピソードのせいでストーリーが破綻している。

・主人公が園芸部に入ろうとした時、入部に反対する先輩に判断を一任すると言っておきながら、何故か主人公が主催する料理大会で決着を付けることになるっていったい何なの?ちなみにアニメ版では先輩の指示で未整備の花壇を手入れする1週間が描かれている(原作なろうと同じ)。なんでコミカライズでは要らぬ混乱を招く無意味なエピソードを追加するかな?
主人公が犬猿の仲である人達を仲直りさせるという感動ポルノをやりたかったんでしょうが、浅いよね。

という序盤からツッコミの連続でまともに読み進めない。

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他にも気に入らない点はある。
・相手の話に納得したかのように見せた瞬間、ちゃぶ台返しのように全否定するシーンが多すぎる。これは業界では「だが断る」というお馴染みのパターンだが、毎回これをやられると苦痛なんだよね。登場人物に感情移入して読んでいたのが無駄になってしまうからだ。
・回想シーンによって登場人物の過去のトラウマを浮き彫りにする展開が多すぎる。ワンパターンで作者側の芸がないだけでなく、ストーリーが時系列的に追えないので読みづらい。

以上のように批判ばかりの本作品だが、だんだんこれをギャグ漫画だと思えば、理不尽な展開や矛盾だらけの内容にも納得出来るようになってきた。

※このレビューがネタバレしてると思ったら...?

サンキュー

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