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評価の難しい作品で、ギャグ漫画だと思って読むことを...

3.5

投稿 : 2024/07/12 22:56

状態 : いま読んでいる

評価の難しい作品で、ギャグ漫画だと思って読むことをお勧めしたい。

能力を鑑定したところ魔力量が致命的に低いため冒険者になれないと判断され、仕方なく冒険者ギルドの受付をすることになったオッサンが主人公。

それでも冒険者になる夢を捨て切れなかった彼は30歳を過ぎて冒険者へ転職する。
所属先はよりによって世界最強のSランクパーティ。本作品ではそこで潜在能力に目覚めるとかはなく、短所の魔力を補えるだけの物理的な力(チカラこそパワー!)を身に着けることになる。『治癒魔法の間違った使い方』に似た展開だ。
パーティメンバーには蘇生魔法に長けた者がいて、たとえ訓練で死んでも生き返らせることができることを利用して文字通り「死ぬほど鍛えられて無敵になった」。ちなみに最初はこれが嫌で(=ふつうそうだよ)特訓から逃げてばかりいたのに、話が進むにつれギャグとして扱われるようになる。

このような非常識な環境で鍛えられた主人公はテンプレ通りに無自覚で無双しまくる。また冒険者としてデビューするには歳を取りすぎていたため、周りから嘲笑される機会が多くそのたびに卑屈な態度を取るのもテンプレ通り。
但しこれも最初のうちだけで、徐々に自分の実力を理解していき、更に冒険者として初心者であっても人生の先輩として若者達を指導するようになるのが読んでいて気持ちがいい。

原作はなろうで商業小説→コミカライズ→TVアニメ(2024年7月)と順調にメディア展開している。
で、肝心の漫画としての出来だが、正直言って画力は低い。デッサンもイマイチで表紙詐欺である。しかし本作品には他に大事な点がある。
作者(漫画家:荻野ケン)はあとがきで「コミカライズ漫画家は、漫画化する権限を持つ読者である」と公言しているように、原作をかなり改変しているらしいのだ。
一般的にコミカライズは原作通りにやるのが基本で、それでも大事なセリフを抜かしてしまったとかミスすることが多い(『水属性の魔法使い』『生まれ変わった剣聖は楽したい』)。
それに対して本作品の作者は「原作を一人の読者として読んだ時〈ここがこうだったらもっと面白いだろうな〉という素直な感想を、漫画化する際に実現させる」と言っているように積極的に作り直す姿勢が素晴らしい。

よって多少絵が下手でも問題なしと判断して高めの評価をした。

※このレビューがネタバレしてると思ったら...?

サンキュー

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