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今更感想を書くまでもない、週刊少年ジャンプ連載の名...

4.5

投稿 : 2021/11/20 01:02

状態 : 読み終わった

今更感想を書くまでもない、週刊少年ジャンプ連載の名作です。
1987年連載開始から今年2021年9月に連載終了したジョジョリオンまで続き、続編も描く予定という長期連載作品。
ストーリーマンガですが、内容はいくつかの部に分かれていて、各部は関連しながらも独立した作品となっています。

本レビューは週刊少年ジャンプ連載時の単行本収録の第1部から第5部までの感想となります。
なお、第1部では石仮面を被ることで吸血鬼となり、半永久的な若さを手に入れる怪物が登場しますが、作者の荒木飛呂彦氏はすでにかなりの高齢のはずながら、メディアに登場する際の顔艶は年齢通りのそれではなく、石仮面を被ったのではないかと噂されています。

各部で登場キャラクターの個性が強く、また今も語り継がれる名言が数多くあります。
教科書のように読んでおくべき作品で、特に1部1話はセリフを暗証できることが出世への近道と思います(個人の感想です)。

内容が大きく変わるため、各部で感想を書きました。各部の感想は以下のとおりです。

<Part1 ファントムブラッド>
『ジョジョの奇妙な冒険』の最初の部。
その後に続くジョースター家やディオの血族の戦いの歴史に繋がる序章です。
19世紀のイギリス、名門貴族ジョージ・ジョースターの息子「ジョナサン・ジョースター」と、ジョースター家の養子になった「ディオ・ブランドー」、2人の若者の物語となります。
いわゆる吸血鬼もので、ジョースター家にあった古い石仮面の秘密により人間を捨てたディオに、逞しく成長したジョナサンが"波紋"と呼ばれる力で立ち向かうストーリーとなります。

伝奇的な雰囲気の強い作品で、ジョナサンの半生を綴った叙事詩という雰囲気があります。
少年ジャンプ連載ですが、少年漫画としての雰囲気は無く、濃ゆいタッチと人間を暴食する描写があり、有名作ですが人を選ぶところがあります。
ただ、その後のシリーズに比較するとコンパクトに纏まっていて中だるみもなく、ある種のパターン化が続く3部以降に比べると最もストーリー性が高いと言えるかもしれません。
また、現在もネタにされる名言(迷言?)も多く、一作目でもあるためジョジョの入り口としては本作をおすすめします。

<Part2 戦闘潮流>
ジョジョ二部目。
主人公の「ジョセフ・ジョースター」は、Part1の主人公、ジョナサンの孫という設定です。
石仮面の秘密を知る「柱の男」たちが敵で、二千年の眠りから覚めた彼らを、太陽の力である"波紋"をもって立ち向かう展開です。
前作ではディオが能力でタルカスやブラフォードを中心とした部下を従えていましたが、本作の敵は基本的に柱の男オンリーです。
前作でジョナサンと共に戦ったウィル・A・ツェペリの孫「シーザー・A・ツェペリ」、そして謎の波紋使い「リサリサ」と共に、柱の男が狙う"エイジャの赤石"を守り戦うストーリー。

一本気でまじめなジョナサンと違い、本作の主人公ジョセフは軽口ばかり叩き奇襲や奇策を得意とします。
Part1に比較すると雰囲気は明るく読みやすくなっていると思います。
また、Part3以降は幽波紋(スタンド)による能力者バトルが基本となるため、修行で強くなり強大な敵に立ち向かう少年漫画の王道展開をするジョジョは本作までとなります。
ストーリー展開もまとまっていて読みやすく、盛り上がりがあって純粋に面白いと思います。

<Part3 スターダストクルセイダース>
ジョジョ第三部。
いわゆる"スタンド"が初めて登場するのがこの三部からで、本作以降のジョジョはすべてスタンドバトルが中心となります。
主人公は第二部主人公だったジョセフ・ジョースターの孫「空条承太郎」で、老いたジョセフもスタンド使いとしてメインキャラクターの一人として登場します。
『悪霊』に取り憑かれたため、自ら留置所に収監された空条承太郎の元に、ジョセフ・ジョースターと、「モハメド・アブドゥル」が訪れ、『悪霊』の正体は"スタンド"という精神エネルギーが具現化したものであること、スタンド能力に目覚めたのは、かつてジョナサンと戦ったディオが、ジョナサンの肉体を乗っ取って蘇ったためであることを説明します。
そして、承太郎の母「空条ホリィ」にもまた、スタンド能力が発現するが、スタンド能力を制御できないホリィは命の危険にさらされる。
ホリィを救うには、50日以内にディオを倒し、肉体に及ぼす影響を断つしかない。
承太郎、ジョセフ、アブドゥル、そしてディオに操られて承太郎と戦い、救い出された「花京院典明」の四人はディオを倒すため、エジプトを目指し旅に出るという展開です。

途中、ディオの手先であるスタンド使いと戦い、撃退しながら、日本からエジプトまでの長い旅路を行くロードムービーとなっています。
スタンド使いは皆、タロットの大アルカナの暗示、途中からはエジプト9栄神の暗示を受けていて、数が決まっています。
各スタンド使い共個性的で、名言も多いです。
4部以降のスタンド使いは能力がわかりにくいところがあることもあり、本作がジョジョシリーズの中では一般的に一番人気がある作品と言えると思います。

<Part4 ダイヤモンドは砕けない>
ジョジョ第4部。日本・杜王町という架空の街が舞台です。
杜王町のモデルは、荒木飛呂彦の出身地である仙台市で、そこに住む高校生「東方仗助」が本作の主人公です。
仗助は二部の主人公「ジョセフ・ジョースター」の隠し子で、スタンド能力を持っています。
異様に行方不明事件が多発する街、杜王町の調査と、仗助に会うために杜王町にやってきた空条承太郎は、仗助と共にスタンド能力を持つ殺人鬼・アンジェロを再起不能にするが、アンジェロから「弓と矢」の力によってスタンド使いになった事を聞かされる。
スタンド能力者を増やす「弓と矢」の行方を追うため、仗助と承太郎、街の仲間たちが怪事件に挑む展開です。

明確な目的をもった道中で敵のスタンド使いに遭遇するような内容ではなく、スタンド能力を持ってしまった一般人、あるいは、スタンド能力かも本当のことろわからない変わった人々との出来事が描かれていて、数回で解決する小話の続くような部となってます。
全てが全て命を狙って攻撃してくるスタンド使いというわけでもなく、懲らしめて終わったり、事件自体も起きずにこやかに話が終わることもあり、他の部と比較すると雰囲気が独特です。
また、最後の敵もディオや柱の男たちと違い、スタンド能力を持つシリアルキラーであり、戦いの規模は小規模になった感じはします。
ただ、敵も味方もキャラクターが立っていて、読んでいて楽しいい作品です。
露伴や重ちー、億泰、トニオ、そして吉良吉影など、本作に登場する多くのキャラが現在も語り継がれており、3部と並んで人気作と思います。

<Part5 黄金の風>
イタリアが舞台で、主役はDIOの息子となる「ジョルノ・ジョバーナ」です。
DIOの血族とはいえ、吸血鬼というわけではなく、これまでのジョジョ達同様、己が目的のために敵を倒す展開です。
迫害され、悲惨な少年時代を送っていたジョルノは、幼少期にギャングに救われた経験から、自然とセリエAのスター選手に憧れるよりもギャングスターに憧れを抱く。
15歳になり、ギャング組織とトラブルを起こしたジョルノは、組織・パッショーネの幹部「ブローノ・ブチャラティ」に襲撃される。
ブチャラティに勝利したジョルノは、その繋がりからパッショーネに入団し、ブチャラティのチームに参加する。
序盤はパッショーネの任務に就いて行動するのですが、中盤からチームごと離反し、組織のボスを倒す展開になります。

3,4部同様、主人公チームへ次々新手のスタンド使いが現れ、戦い勝ち進んでいきます。
4部と異なるのは敵のスタンド使いは主人公チームを殺すために送り込まれた刺客であり、主人公チームも7人全員がスタンド使いの団体戦です。
そのため、ストーリーとしては3部に近いですが、舞台は終始イタリアとなるため、作品の雰囲気は大きく異なります。
1部から続くDIOとジョジョの因縁も関連が薄く、ストーリーとして独立している感じが強いと思いました。
また、スタンドの能力が複雑で、何をどうして勝ったのかがよくわからない戦闘も多かったように感じました。
ただ、個性的なキャラクターや名言は本部も多く、作風のインパクトが強いためジョジョと言われると5部を思い浮かぶ方も多いと思います。
6部からはコミックスのナンバリングがリセットされることもあり、個人的には最低でもジョジョを読むなら5部までは読まないと、区切りが悪い感じがします。

※このレビューがネタバレしてると思ったら...?

サンキュー

1

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