『サラリーマン金太郎』の続編マンガです。
前作『サラリーマン金太郎』が、次回作に続く形でぷっつりと終了しましたが、その次の号からの掲載が『マネーウォーズ編』となるわけではなく、実施は3年ほどのブランクを経て掲載となりました。
ストーリーとしては前作の続きになっていて、ヤマト建設を退職後、外資系企業に転職した金太郎の新たなる舞台が描かれています。

本作は『マネーウォーズ編』のプロローグで、本編につながる話となります。
タイトルはプロローグとなっていますが、プロローグというにはなかりスケールが壮大です。
金太郎は本作で外資系投資銀行会社に就職し、外貨投資の世界、タイトル通り、『マネーウォーズ』の世界に身を投じるのですが、言葉通りの国家予算を賭けた賭博を行い、一企業の年間売上レベルの金額を溶かしたり稼いだりする、想像もつかない戦いが描かれます。
全１巻と思えないくらい上下幅が激しく、まさに天国と地獄の間で切った張ったを行う男の生きざまを見せつけられます。

プロローグ終了時点で人生の終点といってよい状況になるのですが、ここをスタートに本編が始まるとか"嘘でしょ"と思わずつぶやいてしまう内容でした。
また、そういう世界にいながらも、根幹は何も変わらない金太郎の振る舞いは応援し続けたくなるものを感じます。
どんな状態になろうとも、自分の中に一本通った筋は揺らがず、良いものは良い、ダメなものはダメだと言って胸ぐらをつかむ、熱い展開が繰り広げられます。

ただ、もはや一介のサラリーマンではなく、遠くに行ってしまった感じがあるのが少し寂しいですね。
そういう意味で、現代サラリーマンがバイブルにするには刺激が強すぎるかと思います。