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2017年から2021年まで「少年ジャンプ+」で無...

4.5

投稿 : 2022/06/21 23:17

状態 : 読み終わった

2017年から2021年まで「少年ジャンプ+」で無料配信されていたSFサスペンス漫画。

当時自分も毎週読んでいたが話に付いていけなくなり途中で断念した。というのも、ストーリーが複雑で前の話を振り返ることなしに読み続けられなかったからだ。

2022年4月から本作品のTVアニメが放映中なので改めてこのタイミングで読み直したところ、非常に上手く出来たシナリオで伏線も丁寧に貼られていたことを確認できた。

コミック表紙にはヒロインの「金髪ロング碧眼スク水美少女」(17歳)が載っているが、彼女は既に死んでいるというショッキングな設定。主人公の調理師専門学校生(17歳男子)は彼女の葬儀に参列するために2年ぶりに生まれ故郷の孤島へ里帰りするところから話が始まる。

本作品のキーワードは、「影」という名のドッペルゲンガーと「タイムリープ」。

冒頭で既に死んでいるヒロインだが、その代わりに登場するのが彼女に瓜二つの「影」。作品中では彼女以外にも「影」が多数出てくるが、こいつらもオリジナルの人間を殺してそれに成りすましている。

本作品を難解にしているのが、登場人物が「影」なのか「オリジナル」なのか分かりづらいという点だ。というか読者にミスリードをさせるように意図的に誤解させる演出が素晴らしい。思わず「あー、だまされた!」と叫んでしまいたくなる展開があり、そのたびに数話前から読み返して「影」と「オリジナル」の描き分けを確かめながら楽しんだ。
本作品はこのように重箱の隅をつつくのが好きな人向けのコミックだと思う。

更に本作品の理解を難しくしているのが、主人公は死ぬことで過去にタイムリープする能力を持っている(=死に戻り)ため、似たようなストーリーを何回も繰り返している点である。
ただ、何回も死に戻りをしているうちに生き返る時刻(=セーブポイント)が徐々に未来にずれてきたため、たとえ死んだとしてもやり直す時間的余裕がなくなってくるというのも緊迫感があって良かった。

「影」の身体能力は桁外れに高く、一瞬のうちに移動して人間を殺傷することが出来る。
これが作品中では、コマ枠内の「影」の姿が次のコマでは消えるという演出によって目にも留まらぬ動きを表現しているのだが、正直言うと最初のうちはこの描き方がイマイチで理解しづらかった。
但し、巻数が進むにつれ演出(エフェクト)が向上してきている。特に虎島での竜之介とシデのバトルはとても見応えのあるものになっていた。

もう一つ本作品の問題点をあげると、何故かラストに近づくと絵がラフスケッチのようなタッチになってくる点だ。たしかに最後のシナリオは勢いに任せて進めた感じはあったが、当初のくっきりした線がなくなってしまったのは残念である、として評価★を0.5点減らしている。

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最後に余計なお世話だが、本作品のスピンオフである『サマータイムレンダ2026 未然事故物件』が現在「少年ジャンプ+」で公開されているが、このスピンオフはぜひ本編読了の後に読むことをお薦めしたい。

※このレビューがネタバレしてると思ったら...?

サンキュー

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