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『島耕作シリーズ』八作目。 相談役だった万亀健太...

4.5

投稿 : 2022/09/06 00:11

状態 : 読み終わった

『島耕作シリーズ』八作目。
相談役だった万亀健太郎が病で退陣し、代わって相談役に就いた島耕作の日々が描かれます。

会長以上に相談役というポジションが謎だったのですが、1巻序盤で、"相談役"とは何かを説明してくれるのがありがたかったです。
島耕作曰くには、相談役は会社法で決められた役職ではなく、肩書の通り、社長や会長からの相談を受ける、アドバイザーという立場だそうです。
豊富な経験、人脈の広さ、決断力が求められますが、会社法で定められていないため、待遇等は会社との委任契約によります。
よって、会社の経営に深く関わっていますが、社長や会長の補佐的なポジションであると言えると思います。

会長に引き続いて実務に忙殺されるシーンはないです。
ただ、新社長として据えた風花凜子の社内でのポジションが怪しく、相談役として島耕作に判断が委ねられます。
会長の更に先のポジションにいますが、引き続き陰謀や戦いに忙しい内容となっています。
なお、相談役を置くことにはデメリットもあり、現実では東芝が2015年に相談役制度を廃止しています。
TECOTでは相談役制度があるようですが、そのメリデリも記載されていて、色々ためになる作品だと思います。

風花社長の社内騒動に始まり、中国ファンドがTECOT乗っ取りを画策するなど、本作でも様々なトラブルが発生します。
それらに対し、島耕作は自らのコネクションを駆使し、経験から助言を行い、スマートに対応しています。
大口を叩かず、しゃしゃり出ずに相手を立てるやり方はさすが島耕作と思いました。
時世ともリンクしていて、コロナ前ということもあって2020年東京オリンピックを題材に、スポーツビジネス分野に切り込みを入れるシーンもあります。
また、本作からは、新型コロナウイルスがまん延し始め、島耕作自身も新型コロナに感染しホテルで隔離生活を送ります。
隔離生活の様子、そこからアフターコロナのイメージとビジネスのヒントを、死にかけながら貪欲に得ようとする姿勢が頼もしいです。

企業としてのLGBTQ+の取り組みも描かれていて、相談役となっても変わらず、未来を見据えた作品だと思います。
テンポも良く、サラリーマンマンガを普段読まない方でも楽しめるシリーズです。

ラストで島耕作はある決断をします。
島耕作は新たな道を進み始め、その内容が続編に続きます。
そろそろ定年後島耕作でも良いのではないかと思うのですが、ここまで読んできたので次も追いかけ続けようと思います。

※このレビューがネタバレしてると思ったら...?

サンキュー

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