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さそうあきら氏の代表作。 文化庁メディア芸術祭で...

4.5

投稿 : 2022/09/06 09:17

状態 : 読み終わった

さそうあきら氏の代表作。
文化庁メディア芸術祭で優秀賞を受賞、また、手塚治虫文化賞 優秀賞受賞し、当時、映画も話題になりました。

名門の音楽大学を目指している浪人生の菊名和音が、ある日、野球をしていた少女・成瀬うたと知り合います。
強引に家に上がり込まれ、迷惑に感じる和音でしたが、うたが彼の部屋のピアノに触れたとたんに世界が一変します。
個人的にはさそうあきらといえばセックスがテーマのマンガが多いイメージです。
本作中でもそういう描写は無くは無いのですが、基本的には"神童"と言える少女の苦悩が描かれた作品となっており、『のりりん』を読んだときのような意外性を感じました。

うたは、明確に天性の才能を持っているのにも関わらず、その才能を一般的に認められていません。
天真爛漫な振る舞いで周囲をざわつかせ、圧倒的な技術で周囲を黙らせる展開が多く、基本的にうたの性格は最悪です。
人によっては傍若無人な振る舞いにイライラする可能性があり、そういうキャラが苦手な方にはおすすめできないです。
終盤には、そんなうたに悲劇が襲いかかり、その絶望の中で何をするのかというドラマが展開されます。
文庫版で全3巻と短く、展開はわかりやすく読みやすい作品だと思います。

菊名和音は、もう一人の主人公としてスポットがあたっています。
うたに振り回されながら、成長していくのですが、彼もまた天才と呼べるキャラで、荒唐無稽な存在として描かれるうたと対象的に全うに挫折しながら実力を認められてゆきます。
そんなうたと和音の交流が描かれていて、様々な音が作中では流れるように感じます。
ミュージックとしての音楽ではなく、いろんな"音"が中心に据えられていて、裏表紙にも書かれている通り、本作の主役は"音"なのだと思いました。

※このレビューがネタバレしてると思ったら...?

サンキュー

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