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"マネーの拳"や"エンゼルバンク"など、ビジネス系...

4.5

投稿 : 2024/02/25 17:57

状態 : 読み終わった

"マネーの拳"や"エンゼルバンク"など、ビジネス系マンガを多数描いている三田紀房氏の作品。
ずばり『投資』がテーマで、会社の選び方、運用の仕方など、投資のノウハウが学べる内容です。
また、そもそもお金とは何か?貯蓄を貯めるにはどうすればよいか?戦前は実は盛んだった投資が、現在、垣根を感じる原因はどこにあるのか?など、投資以外にもお金に関する知識が詰まった一作となってます。

舞台は北海道にある中高一貫校「道塾学園」です。
ここは藤田金七という豪商が創立した学校で、貧困層へも広く教育を施すために授業料がかからないです。
そこにトップの成績で入学した「財前孝史」が主人公。
野球部に入ることを考えていた彼は、ある日、先輩に導かれ、図書室の奥にある謎の一室に連れてこられる。
そこには数名の生徒が麻雀に興じており、彼らは、学園創立時から存在する"投資部"であると明かします。

代々トップの成績者を迎え入れる伝統になっている投資部に参加することになった財前が、初めての投資を学び、資産を手堅く運用する内容となります。
投資部は中学1年生から高校3年生の6人で構成されており、彼らが学園の資産3000億円を運用して得た利回りによって、学園のすべての経費が賄われています。
投資部に入るなり何億という運用資金を任され、素人知識で運用を始めるというとんでもない舞台設定ですが、投資のシーンはリアリティにあふれています。
恐ろしいロスカットについてもちゃんと説明があり、マンガ的な展開で理由なく運否天賦からトントン拍子に大儲けするような展開になっていないところはちゃんとしていると思いました。
金取引やFX、不動産投資までやっている上、チャートの見方、四季報の歴史、凄さについても触れられていて、投資に興味のない人にも面白く読める作品です。
"ドラゴン桜"もですが、絵柄のクセが強く、エロい系の女の子も登場しないのに、興味ない分野でも楽しく読めるのが普通にすごいですね。

投資のノウハウをレクチャーするビジネス書籍ではなく、ちゃんとストーリーもあります。
戦後、藤田金七が道塾を設立時に財前の曽祖父「財前龍五郎」が関わっていたことを知り、ベンチャー企業との会合の中で金七の玄孫「藤田慎司」と知り合います。
そこから投資部の資産、道塾の経営資金に手をかけた投資バトルが始まり、後半はこのバトルが中心となります。
最後は完全にバラエティ番組のノリになってましたが、個人的にはそこも含めて楽しめました。

またベンチャー企業の例として、実在の企業名が登場します。
堀江貴文氏や、ユーグレナの創業者・出雲充氏、DMMの創業者・亀山敬司氏などなど、実名で登場し、財前と共に未来に投資していく様が描かれます。
そのあたりは正直なところ賛否ありそうですが、ライブで活動を行っている人物の考えを読める実用的な書物であると思いました。
マンガ、というよりも投資のバイブルとして、おすすめの作品です。

※このレビューがネタバレしてると思ったら...?

サンキュー

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