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鳥栖哲雄は、おもちゃ会社に務める平凡なサラリーマン...

4.5

投稿 : 2024/11/24 20:41

状態 : 読み終わった

鳥栖哲雄は、おもちゃ会社に務める平凡なサラリーマンだった。
趣味は投稿サイトに自作の推理小説を投稿すること、娘の零花は大学進学と共に一人暮らしを始め、今は長年連れ添った妻・歌仙と二人暮らしをしている。
ある日、様子を見るため、久しぶりに一人暮らしの娘に会うと、娘の顔には大きな殴られた後があった。
問いただすもその理由を知らされず、その日は別れたが、その道すがらガラの悪い男たちが、自分の娘の話をしていること、そのうちの一人が娘の彼氏であるようなことを聞く。
その翌日、男たちの正体を探るため娘のマンションに忍び込み、証拠を探していたところ、娘の彼氏・麻取延人が入ってくる。
とっさにクローゼットに隠れた哲雄は、延人の電話の内容から、妻の実家の財産が目当てであること、また過去にも2人の女性を殺害していることを知ってしまう。
娘を守るため、哲雄は衝動的に延人を殺害してしまう。

2017年5月、週刊ヤングマガジン連載開始の現代サスペンスマンガ。
娘の彼氏の殺害の隠蔽から、半グレ組織に対抗し、カルト集団や暴力団との争いに巻き込まれてゆくストーリーです。
三部構成になっており、一部では、延人殺害を隠蔽し、半グレ集団から知恵を振り絞って逃れる。
二部では歌仙の実家である山奥の自給自足の村で、そこを牛耳るカルト組織と追いかけてくる半グレたちにぶつかる。
三部では村での事件から海外逃亡をしていた半グレのリーダーが日本に戻ってきたことをきっかけに、過去の出来事の精算をする展開となっています。

すべてのきっかけは零花がDV彼氏に引っかかったことではあるのですが、鳥栖哲雄、歌仙共にかなり特殊な家庭事情を持っています。
特に二部以降の展開を見ると、それが全てとも言い切れないところがあり、平凡な一般家庭が犯罪事件に巻き込まれる話ではないかなと思います。
ブラフ、矛盾のない嘘、それを半グレの前で平然と話す度胸と大胆なトリック、さらにすべてを成し遂げる凄まじい体力と、読み進めると"平凡なサラリーマン"だったはずの鳥栖哲雄が実はスーパーマンだったことに気づきます。
まるでスパイ映画のような、アクション映画のような、怒涛の展開となっていて、次が気になりページを捲る手が止まらない作品です。

一応、一般家庭のお父さんが主役なので、衝動で殺してしまったことに対してなんとか家庭を続けようと取り繕う話かと思いきや、話が進むたびに意外なほど人が死にます。
"衝動的に一人"だけではなく、半グレの手により、あるいは自らの命を絶ち、やがて大量殺人事件も発生します。
もちろん、鳥栖哲雄が手を下した相手も1人2人ではなく、そのあたりは読み進めると仰天すると思います。
全く先の読めず、とてもおもしろかったです。

作画はサイコメトラーEIJIなどの朝基まさし氏、原作は山川直輝氏で、こちらは他に「100万の命の上に俺は立っている」などが代表作です。
「100万の命の上に俺は立っている」は未読なので、そちらも読んでみたいと思います。

※このレビューがネタバレしてると思ったら...?

サンキュー

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