
『かってに改蔵』、『さよなら絶望先生』などの代表作がある久米田康治氏の連載デビュー作品。
南国鹿児島県の浜津学園高校にあるアイスホッケー部に、カナダからの帰国子女・蘭堂月斗が助っ人として転校してくる。
現地では有名なアイスホッケー選手だという蘭堂の活躍に、学園は期待を寄せるのだが、実はダーティープレイの連続によりカナダから追放されていた。
序盤は弱小アイスホッケー部が、蘭堂の姑息なプレイで勝ち上がる、スポーツコメディマンガでした。
当初はスポーツ中心で、蘭堂のプレイに感化されてダーティプレイを冗長するチームと、形はどうあれ勝利に湧く学校にスポットのあたった内容となっています。
お下劣なギャグは序盤から健在ですが、等身大の高校生たちの学園生活を描いた作品でした。
ですが、徐々にお下劣ギャグが中心となり、アイスホッケーのシーンが少なくなっていきます。
そして割と序盤の4巻1話を最後にアイスホッケーは完全に行われなくなり、以降はきっついダジャレと安易な下ネタだらけのギャグ漫画となります。
絵柄も序盤と中盤以降はガラリと違うのも特徴と思います。
序盤は陰影があり、肉体的な高校生男子たちが描かれていますが、中盤からは現在の久米田康治の絵柄に通じる、手足が長くてシンプルな線の作画となります。
序盤の絵柄からからは『かってに改造』と同じ作者と連想できないレベルで、絵柄の大幅なチェンジは作中もネタにされていました。
序盤に登場していたアイスホッケー部員は登場しなくなり、月斗のライバルキャラだったロブ・ドールマンも出番がほとんどなくなります。
毎話のようにちんこやオナニーを絡めたギャグが繰り広げられ、一発のみのゲストキャラが登場する一話完結型となり、女性キャラも、ヘアーの描写こそないものの、股間や乳首描写も含めた全裸が描かれます。
絵柄が独特になったため、女の子はかわいいのですが、全裸がエロいかは正直微妙なところだと思います。
同じテーマでギャグを連続で畳み掛けるという、今の久米田康治の原型は感じられるのですが、とにかくギャグがオヤジギャグでかつ下ネタのみでワンパターンのため、ぶっちゃけ笑えなかったです。
テンポはよく、読んでいて飽きはこないので、かなり惰性で読んでいた感じですね。
ちなみに最後は、蘭堂月斗がシモネタ星からきた王子で、地球人の記憶を消して星に帰るという唐突な展開で幕を閉じます。
最後はなんかいい感じの終わり方になりますが、こういうところも久米田康治のルーツを感じるところでした。
サンキュー
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