
ベクターウイルスを研究している国立生態科学研究所の室長である蔵間は、非常に厳しい人物でした。
周囲の人々は彼を怖いと評していたのですが、彼の秘書・如月は、そんな彼を優しい人と呼んで慕っていました。
ドジっ娘で要領が悪いが明るいキャラで職員に人気がある彼女でしたが、ある日、危なっかしい足取りでとコーヒーを運んでいる途中で、うっかり転んでしまう。
その瞬間、彼女の目の前に謎の仮面を被った全裸の女性が現れ、驚いた如月の首を引きちぎり、その上、彼女の体を散弾銃の盾として利用してしまう。
この作品は、前知識無しでアニメを見ていたら、ヒロインかと思ってたキャラクターが出会って5秒でくびちょんぱされたという衝撃の事件で有名です。
目が大きく、可愛らしい絵柄に反して、激しい拷問や四肢切断、そして首がはね飛ぶシーンがたくさん出てくる、微グロ作品です。
なお、アニメの冒頭で退場した如月の出会い頭に首を引きちぎった全裸の女性こそ、本作のメインヒロインの「ルーシー」ですね。
彼女は研究所を脱走した際に頭部に重傷を負い、そのショックで記憶を失うことになります。
その頃、大学に通うために鎌倉に住む親戚を頼ってきた青年・コウタは、いとこのユカと共に由比ヶ浜を訪れ、そこで流れ着いたルーシーと出会うことから物語が始まります。
頭部の損傷により「にゅう」としか言葉を発せなくなっていたルーシーは、コウタに「にゅうと」名付けられ、コウタ、ユカと一緒に楓荘で一緒に暮らすことになるという展開です。
研究所は表向き、ウイルスの研究機関ということになっていましたが、実はルーシーのような特異な能力を持つ存在「ディクロニウス」の研究を行っていました。
秘密保持のために脱走したルーシーを捕まえるため、ルーシーを狙う研究所の傭兵やディクロニウスの襲撃が行われます。
物語は、覚醒したルーシーの人格、明らかになってゆく研究所の企み、そしてルーシーとコウタの過去の約束が交錯するストーリーとなっています。
グロいシーンや痛いシーンがあり、罪のない人々が一方的に殺されてゆくシーンがあります。
しかし、絵にリアリティがなく、シーンの割にはあまりグロい感じを受けないです。
一方で、コウタの周辺には、ユカやにゅう以外にも、ルーシーを狙ってきたディクロニウスのナナ、虐待に耐えかねて家出した女子中学生のマユ、音楽学校への進学を反対されて暴力を受け逃げてきたノゾミなどの女の子が集まって一緒に暮らす、ハーレム展開があります。
ハードなSFマンガと思いきや、微妙なエロ要素もあり、ユカはコウタに股間をこすりつけ、無知なにゅうは頻繁にコウタに乳を揉まれます。
特にノゾミはおもらし癖があり、ところ構わず放尿してしまうためおむつを常備しているという、ストーリーとは全く無関係な属性がついていて、作品の方向性が正直よくわからないところがあります。
しかし、そういった要素があるためにシリアスすぎないところもあり、深い内容の割には読みやすさがあると思います。
最後は空気化しつつあったコウカとルーシーの過去と結びつきながら収束します。
ただし、切ない終わり方です。
コウタとルーシー以外の生存者たちは、ご都合主義的に大団円となりますが、二人の運命に救いがない、と思いきや、最後の最後でどんでん返しと取れる展開が待っていました。
絵柄に抵抗感がなければ、おすすめの作品です。
サンキュー
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