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タイムリープものの当たり年だった2016年。 こ...

5.0

投稿 : 2016/11/17 09:30

状態 : 読み終わった

タイムリープものの当たり年だった2016年。
この作品が一番出来が良かったと思います。

SF要素のあるミステリ漫画として紹介されることも多いですが
犯人探しや謎解きに期待して読まない方がいいでしょう。
犯人の候補は少なく、そこに行きつくまでの作業もかなり地味。
タイムリープの能力(本作ではリバイバルと呼ばれる)は本人の意志で起こせるわけではなく
後半覚醒して自在に操れるようになり犯人を追い詰める!・・・といったベタな展開もありません。

この漫画の魅力は何と言っても主人公の成長を描くストーリーの熱さ。
リバイバルは能力というよりむしろ彼に与えられた試練です。
主人公は宅配ピザのバイトで生計を立てている売れない漫画家。
自分に自信がないから他人と深く関わることを拒み、優しさを素直に受け入れられない。
そんな最近よく見かける設定の冴えない男が事件に巻き込まれ、
解決に向けて自分を奮い立たせ奔走する姿に心を動かされます。

家族の愛情の深さに気付いたから犯人を見つけ出すための行動を起こす勇気を持てる。
どん底の中でも信じてくれる人がいたから他人と手を取り、一人では為しえなかったことを実現できる。

この漫画にはそんな作者の強い信念がこめられていて、少年漫画的な熱さがあります。
だからこそ主人公に共感し、犯人と対峙する場面に手に汗を握り、
邂逅のシーンで思わず泣きそうになってしまう。

少々エンジンのかかりが遅いところはありますが、是非最後まで読んでください。
SFサスペンスで家族の愛情、友情の尊さ、人生への賛歌を表現した傑作だと思います。

※このレビューがネタバレしてると思ったら...?

サンキュー

1

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