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藤子・F・不二雄のSF短編を集めた短編集。 氏は...

4.0

投稿 : 2017/09/29 00:49

状態 : 読み終わった

藤子・F・不二雄のSF短編を集めた短編集。
氏は子供向けの作品だけではなく、ブラックな作品を書いていたことでも有名ですが、本短編集はそういった、ドラえもんやキテレツなどとは『異色な』短編作品を集めたものです。
全4巻で、1巻あたり凡そ13作品ほどが収録されています。
藤子・F・不二雄のSF短編という意味では4冊には収録されていないものも数多あるのですが、いわゆる有名所、抑えどころは本作品集でカバーできていると思っています。

収録されている作品について全作品の感想を書くとすごい文章量になるので、有名所と個人的に好きな作品をピックアップして感想を書きます。

<劇画・オバQ>
15年ぶりに人間界にやってきたQ太郎が、大人になった正ちゃん、ゴジラ、よっちゃんらに再開する話。
トリビアの泉で一躍有名になった劇画タッチのオバケのQ太郎です。
子供は大人になっても、子供だった記憶は失われないが、それでも大人と子供は違う、そして大人は子供になれない寂しさが伝わる名作です。

<ミノタウロスの皿>
本短編集のタイトル作品。藤子・F・不二雄のSF短編といえば、誰もが最初にあげるほどの有名作だと思います。
主人公は、マシントラブルで未知の惑星に不時着する。
そこは運良く地球に類似していて、人間そっくりの種族がいたのですが、その星は牛にそっくりな種族が人間そっくりの種族を家畜にしていたという話。
初めて読んだのは随分昔ですが、その時の衝撃、恐ろしさは表現できません。
ネタバレ無しで読んでほしいと思います。

<ヒョンヒョロ>
ウサギそっくりの生き物が、子供に宛てて、「ヒョンヒョロを差し出さないと誘拐する」と書かれた手紙を出す。
子供は大人にその手紙を読んでもらうのだが誰にも信じてもらえなくて、という話。
本作も、その後を考えるとすごく怖くなる作品で、ラスト直前までキャラの可愛いギャグマンガの様相を呈しているのが逆に不気味さを出しています。

<コロリころげた木の根っ子>
初めて読んだときは意味がわからなかったですが、なるほどコロリころげた木の根っ子です。
主人公は結婚一周年の日に、運悪く書き出しが遅いで有名な作家先生の家へ原稿を取りに行くのですが、その作家は妻に対し苛烈なほどの暴力を働いていた。
内容はSFとは違いますが、短いページ数ながらタイトルを含めてなるほどそういうことだったのかと感心させられる作品でした。

※このレビューがネタバレしてると思ったら...?

サンキュー

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