泥臭い？暑苦しい？大いに結構。
純朴で上がり症の田舎の青年が演歌の星を目指し単身上京するところから始まるこの物語。
絵柄通りのかなり熱い作品だと思う。
主人公は才能は勿論あるがそれだけで上手くいくほど甘い世界では決して無かった。
才能以上に優しすぎるその性格や不器用さや強い訛り等、不利な点が多すぎた。
友情や愛情 衝突や決別。色んな出会いと別れを経験しながら必死にもがき続ける主人公の姿は格好いいというよりむしろ惨めな描写がやたら多い。
今時この手の話は受けないのかもしれないがこの泥臭さが妙に胸を打つ。
個人的にはこの作者、表情というか大コマ使った泣きの表情がすごい来るものがあり思わず貰い泣きしそうになったことも１度や２度では無い。
主人公だけでなく周囲の人間にもきちんとしたドラマがあり割と丁寧に描写されてる点も好感触。
難点は個人の好みになるが終盤辺り恋愛関係で少しグダった印象がどうしても否めない。
恋愛も重要なテーマの１つなのは分かるけどちょっとそっちに寄りすぎたかも。
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