
パン作りを題材にした料理漫画。
週刊少年サンデーで連載していた作品で、小学館漫画賞受賞作。
また、4クール以上のアニメ化をしています。かつてのサンデーを支えた、サンデーを代表する作品の一つです。
幼い日に姉に連れられて訪れたパン店の主人より、日本を代表するようなパン「ジャぱん」の話を聞かされた少年、東和馬が主人公。
彼は生まれつき手の体温が高く、パン作りに適した"太陽の手"を持っており、独学でパン作りを学びます。
そして大手パンチェーン店「パンタジア」の採用試験に挑むことになります。
この採用試験は面談や筆記ではなくライバルたちと戦うパン作りの大会にのようになっており、以降、パン作りの料理対決が続く展開です。
最終選考まで残ったが、本店採用を逃した和馬は、そのきっかけとなってしまった河内恭介と共に、パンタジアオーナーの孫娘・梓川月乃に拾われて、南東京支店に勤務することになります。
しかし、勤務の様子はほぼなく、パンタジアグループの新人戦やパンの世界大会に出場し、個性的なパン職人たちとのパンバトルを繰り広げます。
パン対決のマンガということで、パンの知識や技術が多く登場します。
超低温長時間焼成という技法やトュルニュ、フォンデュなどの手法、べーパーアクションや老麺法などといった、ややマニアックなパン知識を楽しむことができます。
知識やひらめきによって逆境を突破する、少年マンガらしい料理漫画作品だと思います。
作者は超速スピナーと同じ橋口たかし氏で、超速スピナーでは霧崎マイというキャラクターのかわいらしさが話題となりました。
本作の女性キャラもとても魅力的なのですが、恋愛要素やお色気の要素はないです。
初期にはミステリアスさのあった月乃も、中盤以降はツッコミ役となっており、パン対決にはほとんど関与しません。
登場キャラクターはほとんど男性で、それも変態が多く、テンポよく読みやすい一方で、可愛い女の子を描ける作者なのに残念な感じがしました。
料理対決といえばリアクションです。
他の漫画では、作った料理を食べた審査員が口からビームを発射したり、よだれを垂れ散らかしてアヘ顔しますが、本作はそのレベルではないです。
序盤はまだおとなしい方だったのですが、中盤以降はうまさのあまり死んだり、過去にタイムスリップして歴史改変をするなどやりたい放題です。
終盤には、パンを食べたことで精神をパンに支配された男を助け、パンを食べたリアクションで地球を救うという狂気じみたストーリーが展開されます。
その後、パンを食べてダルシムになった恭介が、リュウやケンと戦い続け「なんやて!?」というセリフで幕を閉じるシーンはネットでも有名ですね。
そこだけ切り取ると、ひどい最終回に見えますが、そこに至る過程もなかなかひどいので、「なんやて!?」が気になったら読んでみるのをお勧めします。
ジャぱんの制作や、子供の頃に出会ったパン職人との再開、月乃と梓川家の確執など、物語はちゃんと収束しており、最後のコマだけは「なんやて!?」ですが、全体としてはキレイに終わっていると思います。
サンキュー
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