1 ペリリュー -楽園のゲルニカ-
完結済 巻数 : 11
あらすじ・ストーリー
昭和19年、夏。太平洋戦争末期のペリリュー島に漫画家志望の兵士、田丸はいた。そこはサンゴ礁の海に囲まれ、美しい森に覆われた楽園。そして日米合わせて5万人の兵士が殺し合う狂気の戦場。当時、東洋一と謳われた飛行場奪取を目的に襲い掛かる米軍の精鋭4万。迎え撃つは『徹底持久』を命じられた日本軍守備隊1万。祖国から遠く離れた小さな島で、彼らは何のために戦い、何を思い生きたのか──!?『戦争』の時代に生きた若者の長く忘れ去られた真実の記録!
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一万人が投入され生存者わずか34名という壮絶な持久戦、ペリリューの戦いをリアルに描いた作品です。展開こそ悲惨ですがデフォルメされた三頭身の可愛らしいキャラクターが、その残酷性を和らげてくれており、漫画として非常に読み易くなっています。
太平洋戦争下で戦場となったペリリュー島での戦いについて描かれた戦争マンガ。 史実を参考にしたフィクションで、漫画家志望だった初年兵「田丸均」一等兵の目から、戦争の陰惨さを描いたものとなっています。 南海のペリリュー島に、「とりあえず殺れるだけ殺って死んでくれ」という任務を背負って降り立った小隊の物語です。 食料も物資も無い孤島で、飢えに怯え、アメリカ兵に警戒しながらサバイバルを続ける内容となっています。 その頃の日本の戦局や作戦状況等の描写はなく、日本は、戦争はどうなったのか知らされないまま、兵隊たちは来るはずのない応援を願います。 描かれているキャラは等身が低くデフォルメされてますが、撃たれ、刺され、生きたまま腐り、恨み言を口にしながら死んでゆく様がリアルに描写されています。 ペリリュー島で作戦行動をしている小隊の活動内容にのみスポットがあたっており、戦局や大本営の様子などは描かれないです。 戦艦だったり政治だったりについても描写はほぼ無く、戦争を知るというよりは、戦場そのものを知る内容と思います。 基本的には、病気や怪我で少しずつ仲間が死んでゆく展開で、ひたすらに悲惨でむごたらしいです。 一緒に語り合っていた仲間が、潜伏先ごと燃やされたり、生き埋めにされたりします。 かわいらしさすら感じるタッチですが、描かれている内容は地獄で、考えさせられる作品だと思います。 後半はすでに日本は降伏をした後であり、客観的に見て死ぬ必要が無い兵士たちが玉砕してゆきます。 親がいて、妻子がいて、生活があった、だけど死んだ、それも戦争は終わっていたのに、そこに何とも言えない悲しさを感じました。 作中では、戦争が終わったことを伝えるビラが撒かれ、『日本で白人と日本人が仲良く撮影されている雑誌』を兵隊たちは目にしますが、それでもそれは敵の作戦であり、戦争は続いていると信じて疑わなかった。信じるわけにはいかなかった。 本作では、ペリリュー島で戦い続けた、日本兵たちの信念を描き出した傑作だと思います。 ただ、作者も戦争に参加したわけではなく、本作は聞き込みから描いたフィクションとなります。 その点については終幕時にも書かれていて、本当の戦争とは、マンガや小説、映画で描かれているものでは根本的に描けないものなのだろうなと思いました。
2 さよならタマちゃん
完結済 巻数 : 1
あらすじ・ストーリー
いつか漫画家になる事を夢見て、漫画家アシスタントとして日々を暮らしていた35歳の主人公。そんな彼に突然襲ってきた癌という大きな試練。睾丸の癌に冒され、片タマを失った主人公が、家族や他の入院患者との出会いをコミカルな絵でリアルに描ききる。後が無いのはわかってる。でも諦めるには早すぎる! 夢を掴むための闘病記!
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もっと見る3 おやこっこ
完結済 巻数 : 2
あらすじ・ストーリー
「さよならタマちゃん」で大きな反響を呼んだ武田一義が贈る、父と子の物語。ある日かかってきた一本の電話。それは長い間、音信不通だった父の危篤を知らせるものだった。一報を受けた息子の孝志は、妻の亜紀とともに15年ぶりの帰郷を果たす。もう父とは関わりたくないはずだった。だが変わり果てた父の姿を見て、その思いは揺れる……。
該当掲載作品
3作品
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