1 DEATH NOTE短編集
完結済 巻数 : 1
あらすじ・ストーリー
◎夜神月とLの結末のその後を描いた「Cキラ編」
◎死神リュークと出遭った田中実が驚くべき方法でデスノートを使った「aキラ編」
◎最初のデスノートの物語「鏡太郎編」
◎Lの日常と過去「L―One Day」「L―The Wammy's House」
上記の読切他を収録した珠玉の短編集。
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週刊少年ジャンプに連載していた『DEATH NOTE』完結後に度々掲載された特別編を収録した短編集。 3006年の本編連載終了から15年近い時を隔てた2021年に出版されました。 当時リアルタイムで読んでましたが、懐かしいというよりも、年月が経った今、当然のように発売されたことに驚きを感じました。 それほどインパクトがあって、一般認知度が高い作品だったということでしょうね。 内容は『DEATH NOTE』完結後の世界で、再度発生したDEATH NOTEを使った犯罪とその顛末を描いた短編が3本と、DEATH NOTEのファンブックに掲載されていた、Lを主役にした挿話が2本、後、雑誌に掲載されていた4コマ漫画が収録されています。 短編は単体でも楽しめますが、それ以外は本編を読んでいないと意味がわからないと思うため、本編を先に読んでおく必要があります。 ニアやリューク、松田などのおなじみのキャラクターのその後の姿が描かれるので、DEATH NOTEのファンの方はより嬉しい内容になっていると思います。 各作品の感想は下記のとおりです。 ・Cキラ編 最終回から3年後の世界が舞台です。 重病人や生きる意味を失くし死を希望する老人を中心とした、謎の心臓麻痺が頻発し、日本の少子化問題や年金問題が解消される。 世間は、これが新たなキラによる事件と騒ぎ出すが、一方で、Lとなったニアは冷ややかな反応を示すというもの。 ニアによりChirpであると言われ、かつてのキラに比較すると凡人なCキラさえ崇拝してしまうメディアや大衆、それに松田の反応が面白かったです。 短編で元作品に比較すると規模の小さな話ですが、オチが付いていて良作でした。 死神界に帰ったリュークの姿が見えるのも、ファンサービスがあってよかったです。 ・Aキラ編 2020年に掲載された読み切り作品。 Cキラに比べると頭が切れて、国家間をまたいだすごい展開だと思います。 AキラのAはAuctionのAで、本作のAキラは手に入れたデスノートをオークションで売りさばくことを計画します。 本当にうまいやり方で展開していて、本作中Lもキラに敗北します。 ラストは、ちょっとずるい終わり方と思いました。 これであればキラ完全勝利で終わってもよいのでは?と思ったのですが。 ・DEATH NOTEにラクガキ4コマ "DEATH NOTE"を元にしたギャグ4コマです。 本編が基本的にシリアス展開なので、デスノコラのような雑な面白さが逆にシュールで良いです。 箸休め的な内容ですね。 ・L - One Day / L - The Wammy's House DEATH NOTEの実写映画の写真集兼設定資料集の『L FILE No.15』に収録されていた短編マンガ。 ページ数は少なく、"DEATH NOTE"のというよりは、Lというキャラクターを深堀りしていて、Lのファン向けと思いました。 ・鏡太郎編 DEATH NOTE連載前の読み切り、DEATH NOTE 13巻にも収録されています。 本編とはまた別の世界の話っぽいですね。 リュークは登場しますが、それ以外の本編登場キャラは出てこず、DEATH NOTEの設定も若干異なります。 主人公の鏡太郎は、一般的な13歳の男の子で、拾ったノートに日課の日記を書くと、そこに書かれた同級生が死んでしまいます。 知らずに殺人をしてしまうなんてトラウマものですが、ご安心を、本作では死を取り消す消しゴム「DEATH ERASER」を使えば、ひょっこり生き返ります。 正直、命が軽すぎて笑いました。 ラストは珍しく主人公に裁きがない感じで終わります。 読みやすいですが、オチが弱い感じがしたのが残念でした。 ただ、どの作品も絵が美麗で読みやすく、数年来のDEATH NOTE新刊をとても楽しく読めました。 良短編集だと思います。おすすめです。