1 滅日
完結済 巻数 : 2
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たがみ先生のSF三部作では、この作品が一番印象深いです。身近な同僚へのささいな嫉妬から、話が最終決戦につながっていく・・・・。それがいかにも人間関係上でリアルな感情で、その盛り上げ方がうまいと思います。ただラストシーンはいまだに意味がよくわかりません。あれは、翔子は死んでしまったのだと思うけど、尼子が神獣鏡をお社に返す意味は?でも、そのわからなさがいまだにひっかかる事で、この作品が忘れられないものになっているのは確かです。また翔子さんというキャラが「軽井沢シンドローム」の尻軽っぽい感じのキャラとは対極で、簡単にやらせないけど男からのプレゼントは喜んでもらうという、一般的女性像で描かれているのも、読んだ当時からひっかかっている事です。それは主人公の尼子もそうで、彼も話の中でセックスを拒否する場面があります。そういう枝葉の部分が重くて、軽快な感じのたがみさんの絵柄なんですが、ヤングアダルトのドラマとして現実的だと思いました。全体としては超能力発現のSFもので、終末ものなんですが、ドラマの部分がたがみ先生独自の世界と言っていい、実写ドラマの重みがある作品だと思います。